「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」(2001)……白目ゴジラが平和ボケした日本に喝
製作国:日本
監督:金子修介
製作:富山省吾
プロデューサー:本間英行
脚本:長谷川圭一、横谷昌宏、金子修介
撮影:岸本正広
視覚効果プロデュース:小川利弘
美術:清水剛
編集:冨田功
キャスティング:田中忠雄
音楽:大谷幸
特殊技術:神谷誠
録音:斎藤禎一
照明:粟木原毅
製作担当:前田光治
特殊技術・撮影:村川聡
特美:三池敏夫
特殊技術・照明:斎藤薫
造形:品田冬樹
特効:久米攻
操演:根岸泉
特殊技術・助監督:菊地雄一
製作進行:川田尚広
VFXスーパーバイザー:松本肇
助監督:村上秀晃
出演:新山千春、宇崎竜童、小林正寛他
ミレニアムシリーズ第3作。新怪獣登場作が2作続いたが、今回はまた人気怪獣が復活、モスラ、キングギドラに加えてバラゴンが登場し、ゴジラと戦いを繰り広げる。当初はカマキラスやアンギラス、バランを登場させる予定だったが、集客力の問題から現在の形に変更されたというのは有名な話。
監督は平成ガメラ三部作の金子修介で、金子はガメラとゴジラの両方を監督した唯一の監督となった(ちなみに「ウルトラマンマックス」でも監督を務めており、日本の主要な怪獣特撮シリーズを制覇している)。作風も平成ガメラに近く、女性が主人公である点、オカルティズム、スピリチュアル方面に傾倒しているあたりが共通点として挙げられる。
まず特筆すべきは主役たるゴジラの存在であろう。今回のゴジラは体色を再び黒に戻し、下半身が太ましく、たくましい体型で、着ぐるみも足に下駄を仕込むことによって今まで以上に巨大に見せ、そして目は白一色で異常な迫力を醸し出しているのが特徴。こうしたデザインになったのも「太平洋戦争で犠牲になった人々の怨念の塊」という設定ゆえで、そのため通常兵器も一切通用せず、もはや生物であるかどうかも疑わしい。初代ゴジラのような恐怖の存在でありながら、禍々しささえ感じさせる、異形にして異色のゴジラである。それに加えて平成ガメラのように人間側の視点から映したカットが多用されているため、その恐ろしさはさらに強調させられている。
そんなゴジラに立ち向かうのが護国聖獣と呼ばれる怪獣たち、バラゴン、モスラ、キングギドラである。久々の復活となるバラゴンは恐竜というか狛犬のような見た目となり、光線攻撃は失ったものの、格闘戦でゴジラに挑んでいく。倍の身長差をものともせずに戦うさまには胸を打たれるが、ゴジラの力には及ばず、最終的にはいたぶられるように倒されてしまうという、本作のゴジラの残忍さ、強力さを見せつける戦闘となった。
その後はモスラとキングギドラがタッグでゴジラを迎え撃つ。ゴジラ宿命のライバルである両怪獣が揃ってゴジラと戦うのはこれが初で、豪華な対戦カードであるが、ギドラの力が不充分なため、実質的にはモスラ一匹の戦いを強いられる。しかしそこはモスラ、ゴジラに対しては圧倒的に有利――なのだが、最期はゴジラの放射熱線を受けて爆散、バラゴン戦に続き、ゴジラがモスラに完全勝利という結果に。今回のゴジラがいかに異常かお分かりいただけるだろう。
最後に残ったギドラは本来の力を取り戻し、「千年竜王」として覚醒。今回のキングギドラは正義の味方であり、ゴジラよりも体格が小柄であり、さらに海中でも活動可能という、過去のキングギドラとは一線を画する存在となっている。果たしてギドラはゴジラを制することができるのか? 怪獣同士の戦いは以外な結末へ。ってこれ「レプティリカス」と一緒では――。
また本作は「怪獣と戦う人々」がフィーチャーされている。本作に登場する防衛軍(自衛隊ではない)は単なるやられ役ではなく、ゴジラを倒すために護国聖獣たちと協力するという展開に。「ガメラ2」でも自衛隊がレギオンを攻撃してガメラを援護するというシーンがあったが、本作では「怪獣との共闘だ」と言い切っているのだから潔い。まあ現実的に考えれば無茶な話だが、燃える展開なのは間違いない。
本作はアニメ映画「劇場版とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険」と同時上映された。その効果なのかは不明だが、観客動員数240万人を記録し、ミレニアムシリーズでは最高の数字となった。
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