「ゴジラ2000 ミレニアム」(1999)……早速復活した国産ゴジラ
製作国:日本
監督:大河原孝夫
製作:富山省吾
アソシエイトプロデューサー:鈴木律子
脚本:柏原寛司、三村渉
撮影:加藤雄大
視覚効果プロデュース:小川利弘
美術:清水剛
編集:奥原好幸
キャスティング:田中忠雄
音響効果:佐々木英世
音楽:服部隆之
音楽プロデューサー:北原京子
テーマ曲:伊福部昭
特殊技術:鈴木健二
製作担当:金澤清美
録音:斉藤禎一
照明:栗木原毅
特技・撮影:江口憲一、村川聡
特美:高橋勲
特技・照明:斉藤薫
造形:若狭新一
特効:渡辺忠昭
操演:鳴海聡
特技・助監督:近藤孔明
特技・製作担当:前田光治
ビジュアルエフェクトスーパーバイザー:大屋哲男、岸本義幸、小野寺浩
助監督:宮村敏正
出演:村田雄浩、阿部寛、西田尚美他
前年に公開されたハリウッド版「GODZILLA」に対する国内外の反応を見た東宝は、早くも国産ゴジラの復活を決定。そうして出来上がったのがこの「ゴジラ2000 ミレニアム」であり、また本作は2004年の「ゴジラファイナルウォーズ」まで続く「ミレニアムシリーズ」(第三期シリーズ)の第一弾でもある。監督に大河原孝夫、脚本に三村渉と平成VSシリーズのメインスタッフが抜擢されているが、前シリーズとは全く異なる新しいゴジラ映画として仕上がっている。
復活にあたり、ゴジラのデザインも一新。基本的なフォルムは今までのゴジラを継承しつつも、緑がかった体色、トゲのような背ビレ、大きく裂けた口などなどが違った印象を生んでいる。また身長も100メートルから55メートルへと変更された。
そしてシリーズの設定も再びのリセット。「ゴジラの逆襲」~「ゴジラVSデストロイア」の話は何もかもなかったことになっており、初代「ゴジラ」の直接の続編、ということになっている。設定リセットはミレニアムシリーズの恒例となり、以降の全作品で初代以外のゴジラは歴史から消されている。
本作のゴジラはひとつの災害のような存在として位置づけられ、1954年の初出現以来、たびたび日本に上陸しているという設定。これまで何回くらい出現したのか、どんな対策を講じてきたのかは作中で一切触れられないのでまったく不明だが、とにかく作中ではゴジラは既知の存在である。「ゴジラ予知ネットワーク」なる民間組織が運営を維持できるくらいには、ゴジラは脅威として国民に認識されているのだろう。
作中ではまず根室に上陸。濃霧の中で海から姿を現し、咥えた漁船を噛み砕くという初登場で掴みはバッチリ。夜の街を火の海に変えながら暴れまわるゴジラは初代「ゴジラ」を彷彿とさせる。こういったゴジラを見るのも久々だ。破壊と恐怖をもたらすゴジラの姿を堪能でき、これ以降の展開にも期待が高まる。
しかしこの後の特撮はあまり出来が良いとは言いにくい。東海村への上陸シーンは合成感丸出しで、CGも明らかに画面から浮いており、ガメラやエメゴジの後ではキツイものがあるというのが正直なところだ。終盤での都心への進撃も実景との境目を土煙でごまかしているだけなのがバレバレなので、もうちょっと上手くやってほしかった。
またゴジラだけでなく敵怪獣も登場。それが宇宙怪獣オルガだ。もともとは地球侵略を企む宇宙人で、吸収したゴジラ細胞を制御しきれずに怪獣化してしまったという。デザインのベースになったのはエメゴジらしく、国産ゴジラが海外ゴジラをやっつけるという趣向は悪趣味な気もするが、洋物クリーチャーチックなデザインはかっこよく、東宝怪獣の中でも異質の存在である。ゴジラを飲み込むために口が大きく裂けるのもグロテスクで良い。が、なぜゴジラを頭からいただこうとするのか? 尻尾から食うべきじゃないか? まあどこから食うにせよ、食おうとした時点で放射火炎ぶちこまれて終わりだろうが……。
本作はアメリカでも公開された。日本版より10分ほど短くなっている他、BGMや台詞にかなりの変更が加えられており、ラストでは「ゴジラが地球を守った」と語られている。日本でも2000年に一週間限定で公開された。それ以降は海外版のソフトでしか見られなかったが、2018年発売の「ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX」Vol.43に収録された。
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