「モスラ2 海底の大決戦」(1997)……水中モードへトランスフォーム
製作国:日本
監督:三好邦夫
製作:富山省吾
企画:田中友幸
プロデューサー:北山裕章
原案:田中友幸
脚本:末谷真澄
撮影:関口芳則
特殊効果:渡辺忠昭
美術:清水剛
造型:小林知己、若狭新一
衣装:松山さと子
編集:米田美保
音響効果:柴崎憲治、三谷直樹
音楽:渡辺俊幸
音楽プロデューサー:北原京子
特技監督:川北紘一
特技撮影:江口憲一、大根田俊光
特技編集:佐藤康雄、利光英樹
特技美術:大澤哲三
特技助監督:鈴木健二
助監督:手塚昌明
出演:満島ひかり、島田正直、大竹雅樹他
沖縄の海にヒトデのような謎の生物・ベーレムが大量に発生した。それは怪獣ダガーラ復活の前兆であった。一方、沖縄に暮らす小学生の浦内汐里は、ニライカナイからやってきた小動物ゴーゴと出会う。ゴーゴは海に沈んだニライカナイのピラミッドを浮上させると、それに呼び寄せられるようにダガーラも出現、ピラミッドを襲撃する。ピラミッドにはダガーラを倒すための秘宝が隠されているのだ。エリアス姉妹はモスラを召喚、ダガーラと戦わせるが、水中戦を得意とするダガーラには敵わない――。
前作からの直接の続編。バトルフィールドを前回の森林から沖縄の海へと移し、成虫モスラとしては初の水中戦を描いている。また沖縄のニライカナイ伝説をモチーフに取り込み、環境問題への警鐘というメッセージ性は引き継ぎつつ、よりファンタジー色を強めている。ドラマの中心となるニライカナイのピラミッドは、大プールに12メートル四方の巨大なミニチュアセットが作られ、内部構造も41メートル×33メートルの東宝第8ステージ全体を使用して組み上げられた。こうした巨大なミニチュアセット以外にもCGを多用しているのも特徴で、技術の進歩を感じさせる。
今回の敵となるダガーラは、既存怪獣の亜種や復活ではない、完全新規の怪獣。さらに四足歩行かつ水中で活動するという珍しい怪獣である。かつてニライカナイの文明により、海洋汚染を浄化するために生み出されたが、取り込んだ汚染物質から大量のベーレムを生み出し、文明を滅亡に追いやってしまう。その後は眠りについていたが、現代の海洋汚染をきっかけに復活した――という設定。陸上や空中でも活動することができ、石垣島に上陸して街を破壊した他、モスラと空中戦を繰り広げるなど、マルチな活躍を見せる。またモスラを自身のホームである海中へと引きずり込み、大量のベーレムをまとわりつかせて戦闘不能にしてしまうという、今までモスラが戦った相手の中でもかなり分の悪い相手である。
苦戦を強いられっぱなしのモスラだが、ゴーゴのパワーでレインボーモスラへと進化する。ダガーラもパワーアップするものの、レインボーモスラの力に圧倒されるばかりで、海中へと逃げ込む。しかしモスラもアクアモスラへとフォームチェンジ、もはや蛾というよりトビウオのような見た目で、水中でも高速で動き回る。ダガーラとの戦闘はシューティングゲームのごとしだが、無数に分裂したミクロモスラがダガーラの体内に突入して内部から攻撃する、といった絵面はモスラでしかできない演出であろう。
本作の公開後、田中友好プロデュースが死去。長年に渡り東宝特撮を支え続けた氏の遺作となった。また川北紘一特技監督も、怪獣映画を手掛けたのは本作が最後である。主人公の浦内汐里を演じたのは満島ひかりで、本作が映画デビュー作となった。DVDには彼女のオーディオコメンタリーも収録されている。
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