不治の病を克服するために人工衛星と繋がった少女・佐寺幸。治療の甲斐あって命を拾うことには成功したものの、彼女の身は現代医療の範疇をはるかに超えたテクノロジーの宝庫となっていた。
秘密はやがて巨大企業の知るところとなり、幸とその幼馴染・衛太郎らは大がかりな陰謀に巻き込まれてゆく。
というシナリオの現代SF小説です。
秘密をもつ少女との学校生活がしだいに不穏さを増していき、やがて巨大な組織と対峙することになる……往年の名作を思い出させる筋で安定感がありますね。
息もつかせぬ展開に雪崩れ込んでいく、そんなジェットコースターのような物語をお求めの方におすすめです。
ちょっと鈍いオッサン高校生・伊東衛太郎と、幼馴染の佐寺幸(みゆき)が織りなすほのぼの純愛系ストーリー――では、ありません。
彼女が背負った運命を先進科学が救い、そのことがまた新たな運命を手繰り寄せてしまう。二人の高校生活へ徐々に忍び寄る、巨大な影……。果たして、衛太郎は幸を守ることが出来るのか!? 二人の間に隠された秘密が明らかになるとき、すべてが終わる!
といった感じの物語。
じれったい恋バナがあったかと思うと、さわやかな学園ドラマ、そして壮絶なアクション。その全編にわたって流れているのは先進科学と称した空想技術です。もちろん架空ではあるものの、理論的な裏付けも示されているのでリアリティを伴って現れ、物語に厚みを加えています。
深まる秋の夜長に、じっくりと読んでみてはいかがでしょうか。
とてもキラキラとした話だと、個人的には思っております。
ある日人工衛星と繋がってしまった少女、幸。そんな少女を中心に数々の事件が巻き起こる。
そんな"妹"の身を守る為に奮闘する衛太郎。アクションシーンの疾走感とドキドキは見所です!
血の繋がらない"お兄ちゃん"と"妹"の関係の裏側にもご注目あれ。
――実は何気に幸のお父さんの事が殆ど明らかになっていない事に疑問を持っていたり。次回作なんかで明らかになるのかもしれません。
個人的にお気に入りのお話のひとつです。楽しく、時には涙し、ドキドキもさせてくれる。そんな素敵なお話をありがとうございました!