第21話

「結果発表―」


 覇気のない声で、神代先生伝える。


「みんな―、後ろのディスプレイに注目―。全員の順位を表示するよー」


 ディスプレイに『バン!』とクラスメイトの名前が一気に表示される。

 ――このクラス、雑魚場多いなという感想を抱きつつ、驚きを感じた。

 

「優勝は、西・ローランド君と神田隼人君。獲得数は本人の物を含めて二つー!」


 なんと、同立一位で僕は優勝してしまっていた。あれだけ袋回収に躍起になっていた西君は、袋を一つしか奪取していなかったのだ。他者に奪われたのだろうか。


「ちなみに、ブービー賞はこの二人―」


 画面が切り替わり、罰ゲームの対象者の二人の名前が表示される。


『田口真一』

『雑魚場十三』


 なるほど、僕が倒したのは、十三(じゅうさん)君だったのか。

 僕は彼から奪った袋を見ながら、二人の冥福を祈った。

 ――田口への祈りは2秒で終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る