21.8月20日

僕「うわぁ。暑いなぁ」

 いつも通りの空南村のアスファルトが太陽の熱を発していつもより暑い。暑いから蜃気楼まで出てきそう。

 でも、家にいても暇なので思い付きで図書館に行ってみる。


僕「ふうーっ、やっぱ図書館涼しいよねぇ~」

 図書館、と言っても学校の図書室が開放してあるだけなのだが。

僕「やっぱ換わってないね」

 貯蔵されている本も変わっていなかった。

僕「あったあった」

 目的の本はすぐに見つかった。世の中で出回った巻数は60巻。でも25巻までしかない。

 ある意味危機図書館である。

僕「つーか、古い……」

 都会慣れしてしまったせいか、とても古く見える。

??「あ、源田さん」

 と声をかけられた。

 応えるように声の元を見た。

僕「京一くん。あ、そっか。本の虫、だっけ?」

京一「そうです」

 入学当時から本を読み続け、先生直々に本の虫称号を貰っている。

僕「今日は勉強?」

京一「いや、読書してました」

 よく聞くと、今週だけで10500ページ読んでいたらしく、8月通算で900121ページらしい。

僕「頑張ってねー」

京一「源田さんも」

 と奥へ消えた。

 僕は持ってきた本に集中する。

 内容はケモノ系なのだが、人間にいじめられていたケモノを主人公が助けて、二人で冒険する話なのだが――。今は第3のクニで冒険している最中である。

僕「ふーっ。あ、気づいたらもうこんな時間」

 いつの間にか午後5時を過ぎていた。

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僕夏。ーぼくたちのなつやすみ、30日。ー 箱丸 @hakomal1972

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