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「お店の中でも絶対に邪魔になるって分かっていたんだけど、どうしてもお姫様みたいなドレスにしたくて」
「そうだったんですね。とても良くお似合ですよ」
ベールもティアラも、全てリナさんを輝かせるためにあるようで。
「ありがとうございますっ。ミナコちゃんと一緒に選んだんですけど、本当にこのドレスにして良かった」
満開の花のように微笑むリナさんはその場で小さく回って見せた。
「ふふ、ミナコちゃんのドレスも素敵だったでしょう? あれ、私も一緒に選んだんです」
「えぇミナコさんもとっても良くお似合でした」
ちょっぴり想像とは違ったけど。
「パンツスーツにすると思いました?」
「案外リナさんみたいなお姫様ドレスもお似合だと思いますけれどね」
「ふふ、それだけは嫌って言ってました」
リナさんのパートナーであるミナコさんのドレスは、純白のマーメイドドレス。背の高い人だから本当にラインが美しくて、こんなに綺麗な人だったのかと再確認したほどだ。
「だめですよ、マスター。ミナコちゃんは私のですからね」
「私にはお二人とももったいないですよ」
リナさんとミナコさんのウエディングパーティ。親しい仲間に囲まれながら、二人は本当に嬉しそうで、楽しそうで。テーブルに飾られた花籠のように、美しい未来が見えるようだった。
「私が言うのもなんですけど、結婚だけが全てじゃないですから」
「本当、説得力がないですね」
「ふふ、それミナコちゃんに良く言われる」
「ふ、あ。お帰りなさい」
「ミナコちゃーん! おかえりー!」
リナさんはパッと表情が明るくなると、あんなに動きづらそうなドレスでたったとミナコさんに駆け寄って行く。
どうかいつまでも仲良く、お幸せに。なんて、俺が言わなくてもきっと二人ならそんな日々を過ごしていくのだろうな。
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