花と太陽の結婚式
カゲトモ
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「本当におめでとうございました」
「マスター! こちらこそ本当にありがとうございました! まさかこんなに素敵なパーティをしていただけるなんて」
「とんでもない、私はただお酒を作っていただけですよ。素敵なパーティになったのはお二人の為に集まったお友達のおかげですよ」
そう、二人のウエディングパーティが大盛況だったのも全て、このパーティを企画して実行したお友達のおかげなのだから。
「ふふ、確かにそうっちゃそうなんですけど。でもマスターがいなかったらこんなに素敵なパーティにならなかったはずだから。だからありがとうございましたっ」
そう言って頭を下げる。その表情は花のような笑顔だ。
「ふふ、素敵な思い出になったのなら私としてもとても嬉しい限りです」
「間違いなく最高に素敵な思い出になりましたよ」
親指だけを立てて“Good”のポーズ。リナさんお決まりのポーズだ。
パーティ開始から早くも時間が経ち、気づいた頃には日がまわっていた。今はもう、店内はガランと静かになっている。
「リナさんは見送り、行かなくて良かったんですか?」
「え? あぁいいんです。お別れの言葉はちゃんと言って来ましたから」
もう一人の主役と幹事は駅までゲストを見送りに行っている。リナさんは一人、店内で待ちぼうけだ。
「マスター一人じゃ可哀相でしょ? それに、このドレスじゃ重くて足手まといになっちゃうから」
「ふふ、確かにちょっと歩きづらそうですもんね」
まるで物語の中から飛び出して来たプリンセスのような純白のドレス。フワフワとしたドレスは自分で歩くのにはいささか骨が折れそうだ。
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