第6話 大切な人になりたい
私は友達を作ることや人と接する事が大好きだ。お話上手だと言われるほどにまでなっていた。
よく、友達に相談される。
それはきっと、
「話しやすい」「バラさない」
がその人の項目なのかもしれない。
良いことも悪いこともあるのが実際。
良いことはそうそうない。
悪い事ならいつでもどこでも起こる。
そして、矛盾が起きる。
これを繰り返して生きて傷ついて泣いて…。
一体何回繰り返すつもりなんだろうか。
学校のこと、友達のこと、色々思う。
友達がいじめられていて助けたいと思った。
でも、「大丈夫」なんて言いたくなかった。
そんな言葉で終わるなんていい人ぶってるようにしか見えない。そう思うと、側にいることしか出来なかった。
沈黙の帰り道。
「君が嫌なら相談しなくても、言わなくてもいいよ。でも、私に出来ることがあれば…と思うけど…相談しかないんだよね。」
私は友達の心を軽くしてあげたくて口を開いたがそれが逆効果なんて知らなかった。
「私の事なんて、わからないよ。これだけ辛いのは味わってみればわかるよ。一番辛いのわかってない」
友達は潤んだ目に起こる表情。自分の最低さを感じた冷たい風。
「ごめん」
そんな言葉で終わろうと思うとまた「最低」
になる。
何も言えなくなった。
その帰り道のことは、友達に言われた言葉しか残ってない。
私は朝起きたら涙がポロポロと溢れ出た。
なぜ泣いているのかも自分でわからない。
「ごめん」
言えなかった三つの文字。最低。
私の事なんてわからない…。一番辛い…
頭の中はそればっかり考えた。もう、何やってんだかわからない。友達のためだったはずなのに。私って人の心も考えられないクズだったなんて〜...本当に最低だ。
最低な人間だ。
そんな朝は雨が降っていた。
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