4 告白
「はぁ……はぁ……つ、疲れた……」
「お疲れ様、沙麗さん。少し休憩する?紅茶とかあるよ」
「も、もらうね…喉からからだよ…」
私は一分間で腹筋32回と自己ベストを叩き込むことが出来た。というより、どう考えたって「筋トレ<翔人くん」だった。
「…はい、ミルクはそこにあるよ」
私が座っていた机の前に静かに置かれた紅茶は香ばしく、いい香りを放っていた。
「ありがと」
「よいしょっと……」
翔人くんはさり気なく私の隣にストンと座る。私はその行為に体が完全に硬直してしまっていた。
「…………ね、翔人くんはさ」
「ん?」
「……どうしてここまで、トレーニングをしてるの?」
「………少し長くなるけど……いい?」
素朴な疑問だった。小学二年生と言ったら、まだまだ幼い。それに、こんな大人の対応をして入れるはずがないのだ。
「うん」
「昔ね、俺には8つ上のお姉ちゃんがいたんだ」
「えっ?そうだったの?てっきり一人っ子かと……」
その答えに対して、翔人くんは首を横に振った。
「……3年前に…………亡くなったんだ」
「っ!」
ズキン、と心が痛む歪んだ翔人くんの顔。
翔人くんは立ち上がり、机の棚から、何かの本を取り出し、もう一度今の位置に座った。
翔人くんが持ってきたのは、アルバムのようだった。
「この人」
「わっ、綺麗な人だね……」
そこに居たのは、黒色の艶のある女性が見返っている写真だった。足も細くて、顔も小さい、何より美人だ。
しかし、どことなく、今の翔人くんの顔に似ている気がする。
「……ずっと、何をするのにも、姉ちゃんは俺に付き添ってくれて……ゲームも遊びも」
「……」
「でも……3年前に……リンチにあって……」
「リンチ……」
「「強姦」って言うらしいんだけど、それにあって、遊ぶだけ遊ばれて、それで姉ちゃんが傷ついて……自殺したんだ」
「っ………そんな…」
この話は高校生である私にも何か怒りが込み上げてくる話だ。
ただただ欲望のために人の体で弄ぶ。そんな奴が私たちと同じ人間だなんて、考えたくもなかった。
「それにね、その強姦した奴ら、まだ捕まっていないんだ」
「えっ?」
「警察が今、捜査に当たってるんだけど、なかなか足取り?が掴めないんだ。そのおかげで、母さんもすっごい俺の事心配して……」
翔人くんの目から、何かポロポロと零れ始めていた。そうして、声も嗄れていき、体が震えていた。
「だからさ………母さんや父さんが心配しなくていいように……姉ちゃんを殺したやつらを殺すために……俺はこうやって鍛えてるんだ……」
ギュッと拳が握られていた。
そんな経験のない私にはどう言った声をかければいいのか分からなかったけど、一つ、言えることがあった。
「翔人くん、「殺す」なんて言っちゃダメだよ」
「…え?」
「翔人くんはまだ子供だし、その過去がどれだけ辛かったのか、私には到底分からない…………でもね、人を殺したら……そのお姉さんを殺した人と同じになるよ……?」
「……」
下を向く翔人くん。
こんなに幼い子供が、他人を守るため、復讐のために動いてるなんて、荷が重すぎる。
「……」
「翔人くん。君はもう少し、周りを見なよ?」
「………沙麗さん…?」
翔人くんは長い間、ずっと一人で溜め込んでいたのだろう。両親にも友達にも、誰にもこのことを話さずに、一人で解決しようとしていたんだ。
「……本音、ぶちまけちゃおう?ね?」
「………………っ!!」
翔人くんはその瞬間、勢いよく私に飛び込んできた。
そうして、彼は本音を、隠し続けてきた本音を叫んだ。
「怖かった!次に誰か殺されたりしたら、俺は一人になっちゃう!それだけは嫌なんだ!いなくならないでよ、姉ちゃん!」
この時初めて、翔人くんはまだ小学生なんだなと、実感が湧いた。
私は翔人くんをギュッと抱きしめて、頭を撫で続けていた。
「あ、ありがとう沙麗さん………」
「ううん、どーいたしましてっ」
泣き止んだ翔人くんは赤面しながら礼を言った。赤の他人に初めてぶつけた本音は少し恥ずかしかったのだろう。
「ごめんね?汗臭かったでしょ?」
「う、ううん、別に………い、いい匂いだった………」
「えっ」
小声で言ったのだろうが、私の耳にははっきりと聞こえてしまった。
「な、なんでもない!トイレ行ってくる!」
恥ずかしさが限界まで達したのか赤面した翔人くんは立ち上がって、部屋を出た。
私は翔人くんの部屋に一人取り残されていた。
「翔人くんの……お部屋…」
さっきまで意識していなかったが、好きな人の部屋に入ることってとんでもない事なんだ。
妙にソワソワした私は、部屋を見渡す。男の子らしい青いベッドと机、そして何やら机の上に飾られている写真。
少し遠くて見えなかったので、立ち上がって、写真を見る。
「…………えっ?」
その写真は制服姿の私と、隣で恥ずかしそうにピースしてる翔人くんの写真だった。
この写真は私も後生大事に持っているのだが翔人くんもこれを持っていたもは思わなかった。それも、こんな綺麗な写真立てに入れて、机に置いているなんて思わなかった。
「沙麗さん、お茶もってきたけど…………」
「あっ…」
私は写真をガン見したまま、翔人くんと出くわした。
「……〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
「…し、翔人くん……これ、は……」
「み、見ないで!」
翔人くんの顔がみるみるうちに赤くなっていく。私はその顔がどうしようもなく愛おしく感じてしまった。
すぐさまお茶を置いたトレイを机に乗せて、写真立てを私から奪ってぎゅっと握る。
「………沙麗さん、ごめん、嫌な気持ちになったでしょ?」
「…い、いやいや、むしろ嬉しかったよ」
「えっ?」
「……あっ」
私は自分の言ったことを振り返る。これじゃ、自分の写真を持っててくれて嬉しいとか恋する乙女か……。
見なくても分かるくらい私の顔が熱くなっているのが分かる。
「……」
「……」
「(き、気まずい……)」
テーブルの前に座った私たちだが、トレーニングをする雰囲気でもなく、翔人くんもずっと顔を俯けたままだった。
「し、翔人くん、トイレはどこかな?」
「あ、えと…下降りて右」
「ありがとっ」
いたたまれなくなった私は立ち上がってトイレへと向かうために扉へ向かう。
しかしその瞬間、目眩が私を襲う。
「っ!?」
「?……沙麗さん?」
グルグルと私の視界が回転し、吐き気を催すような気持ち悪さも同時に駆け込んでくる。
「(何っ……これっ……)」
頭を抑え、必死に意識を保とうと歯をくいしばる。しかし、私の意識はいとも簡単に無くなる。
「沙麗さん!?沙麗さん!」
最後まで、翔人くんの必死な声が聞こえてたが、応える暇もなく、気絶を喫した。
俺は、倒れている沙麗さんに必死に呼びかけたが、応答がなく、涙ながらに叫んでいた。
救急車を呼ぶなんて考える余裕も無く。ただただ自分のベッドに寝かせて見るしかなかった。
今こうして考えると、どうして救急車を呼ばなかったのか、不思議である。
「沙麗さん……」
沙麗さんの顔はもう辛そうではなかった。落ち着いた顔で眠っているので、多分命の危険はないだろう。直感がそう語っている。
俺は恐る恐る沙麗さんの頬に手を伸ばす。白い肌とぷにぷにの肌。初めて女性の肌に触るが、男とは大きく違って、触り心地がいい。
「………好き………だ」
無意識に出たその言葉。俺は少しずつ我に返って自分が言った言葉を頭の中で反芻させる。
「(〜〜〜〜〜〜っ!何言ってるんだ俺は!)」
顔をおおって、誰も見ていないのに恥ずかしくて顔が赤面してしまう。
勝手に盛り上がって勝手に恥ずかしがっている自分が馬鹿みたいになっていた。
俺は沙麗さんが起きた時のために、氷を入れた飲み水を用意しようと、立ち上がって扉を開けて下に降りる。
分かってる、あんな年上の女性に恋なんかしたって仕方の無いことくらい。小二の俺でも分かる。
沙麗さんは後数年で大学や社会に出る。それに比べて俺は中学になるのも程遠い。
叶わない恋だって、分かってたのに、諦めたくなかった。
「(好きって!好きってぇぇぇぇぇ!)」
聞いてしまった。聞こえてしまったんだ。翔人くんがポツリと呟いたその言葉を一言一句聞き逃さなかった。
狸寝入りしていたのは罪悪感があるが、後悔はなかった。
ベッドの上でバタバタと足をばたつかせ、熱くなる顔を抑えながら考える。
どうやら、私が倒れたのは単に目眩と眠気が同時に襲ってきたからみたいで安心した。
「(あ、あの翔人くんが………)」
年が大きく離れている小学生に恋をする私は世間的におかしい。自分だって、年の差婚なんてよくテレビでやるけど、あんまり潔く祝うことは出来ない。
でも、いざ年下を好きになると、年の差なんて滅べばいいのに。と、毎日のように思ってしまう。
「(でも、盛り上がるのはいいけど、きっと違うんだろうな)」
そう、私が翔人くんに向ける「好き」と翔人くんが私に向ける「好き」はきっと違う。
そもそも、小学生の恋と高校生の恋は重さや真剣さが違う。
そんなの、翔人くんに恋をした時から分かっていたことだ。
分かっていても、翔人くんへの想いは抑えられないし、今すぐ抱きしめたい。キスしたい。何だか変態に近づいてきていてショックを受けることだってある。
「(でも、それでも良い、翔人くんがいつか本物の恋を知るまで、私は我慢するって決めたから)」
その後、目を覚ました私は翔人くんにお礼を言って、家に帰った。
よくよく考えると、好きな人のベッドで寝て、好きな人と筋トレをした。
こんなに幸せなことがあっていいのだろうか、家に帰ると、じわじわとその実感が湧いてくる。
「……早く会いたい」
やばい、まだ別れて数分なのに、もう翔人くんが不足している。
恋って、怖い、「恋は盲目」ってよく言うけど、本当に他のことを考えられなくて逆に困る。
こんな感じで、私と翔人くんはお互いに意識するようになって、そのまま数年が過ぎたんだ。
進展もないまま、ただの「ご近所さん」として、関係を保ってきた。
私が行動に移そうと考えたのは、現在から1年前、大手ゲーム会社、「レクリア」に就職し、3年目の時。
「さっむいな……」
25歳の私は、早朝に早出して、残りの作業をして欲しいと課長に言われたので、早めに出る。
「あ、おはよう、沙麗さん」
「……お、おーはよ、翔人くん、寒いね、今日」
「ね、もーテストも終わったから楽になってるんだけど、部活が忙しいからなー」
今日は2月14日。
言わずもがな、バレンタインデーだ。毎年、翔人くんには義理チョコとして渡しているのだが、今年こそは必ず本命だと伝える。
例年と同じく、力を入れて手作りを渡すつもりだ。
「そっか……翔人くんの通ってるバスケ部はきびしーもんね」
「あんまり強くないんだけどなぁ…」
と、いつものような世間話をする。緊張しているのがバレないように、平然を装う。
「あ、じゃあ、沙麗さん、ここで」
「うん、頑張ってねー」
いつもの分かれ道で手を振って別れる。そして、翔人くんと別れた後、胸を抑えた。
「(やばいっ!今年が1番緊張する!)」
口を抑えて、激しくなる呼吸を無理やり止める。
その後のデスクワークもままならなくなり、同僚から心配される始末。
「あれ?浜名さん、今年誰かにチョコあげるんっすか?」
声をかけてきたのは、後輩の小山くん。茶髪のツーブロックの髪型は小山くんの顔とマッチしていて、びっくりするくらい整っている。
そのため、同僚からの人気は絶大なものである。
「ふぇっ!?あ、うん……」
「へぇ……誰に?」
「…好きな……人……かな?」
訝しげに聞いてくる小山くんに愛想笑いをして何となく誤魔化す。
「浜名さん、好きな人いたんですねぇ?で、誰なんです?」
「…そ、それ、はっ、言わない!」
中学二年生が本命の人だなんて言ったら、会社中で笑われてしまう気がするから、それに、この翔人くんへの気持ちは誰にも言いたくない。高校で仲の良かった憐にも、まだ伝えていない。
「ほぉー?誰か気になりますなぁ…」
「………だ、だめ」
小山くんはニヤニヤと笑いながら私のチョコレートを見る。
すると、フッと微笑んで
「どうやら、僕では無いみたいですね、頑張ってください、応援してますよ」
と、優しく声をかけてくれた。自分ではないってどこで分かったのか知らないが、優しい後輩で良かった。
「う、うん、ありがと」
その日、後輩に後押しされたこともあってか、少し勇気も湧いてきた。
夜の七時。
翔人くんが部活から帰宅する時間、私は家にいた。そして、翔人くんにLINEを飛ばす。
『翔人くん、今どこかな?』
『もーすぐ家に着くよ』
『おっけい』
文面は緊張の欠けらも無いが、実際に文字を打っている私の心臓はバクバクとなっているし、顔も熱い。
翔人くんに振られた後、どのような顔で彼と過ごせばいいのか、これから何を生きがいにして生きていけばいいのか。
もう私には、彼以外ありえない。他の男なんて、考えたことも無い。初恋の相手にして、最高の人だと思う。
するとその時、外からコツコツと革靴の音が聞こえてきた。
翔人くんだ。私は自分の高鳴る心臓を抑えながら窓から覗く。
「(……よしっ!勇気を出して渡すんだ!沙麗!)」
自分で自分を鼓舞し、私はコートを着て外に出る。白い雪がパラパラと降り、寒い空気の中とは対照的に、私の体は熱かった。
「…すぅぅ………ふぅ……」
大きく深呼吸をして、私は右手の人差し指を「浅鍵」というネームプレートの下にあるインターホンのボタンに伸ばし、勢いよく押した。
『はーい』
「あ、私だよ」
インターホンに出たのは翔人くんだった。私は声だけで悟られないように、なるべく平然を装った。
すると、すぐに扉が開いた。私は翔人くんの顔を見るなり、心臓の鼓動が2倍くらいに感じるようになった。
「どうしたの?」
「あ、あぁ……えっ……と…」
やばい。思うように言葉が出ない。毎年こうだ。告白しようとしても、何か邪念が入ったりして、失敗するんだ。
それで、毎回夜な夜な泣いて、後悔する。お決まりのパターンのように過ぎていく。
それはもう嫌だ。分かっているのに、一歩を踏み出せないでいた。
でも、そんな私も今日で終わり、振られてもいい。自分の気持ちを発散したい。
この、翔人くんのことを好きで好きでたまらない気持ちを。
「こ、これ!」
「…あ、チョコ、ありがとう!沙麗さん」
翔人くんの顔が一気にパァァと明るくなる。普段、可愛らしいところを見せない彼の意外な一面。それがどうしようもなく愛おしい。
そんな彼を見ていたら、この想いを伝えられずにはいられなかった。
「本命……だよ?翔人くん」
「え?」
ピタリ。と時間が止まる。私は後悔はしていない、11個下の少年に恋をしたことに恥もないし、情けなさなんて感じない。
ただ、彼を好きになったから、彼だけを愛せると決めたから、だから、告白した。
「沙麗……さん」
「ずっと好きだった。翔人くんが私を不良から守ってくれたこと、一緒に筋トレしたこと、私だけに本音をぶちまけてくれたこと。全部全部、私の中では忘れたくない思い出」
「……」
「11歳も年上のおばさんに、こんなこと言われても、困るのは分かってる。でも、伝えたかった。翔人くんを見る度に、胸が痛くて、早くこのもやもやを消し去りたくて、でも翔人くんに告白するしかないんだって思うと、余計に悲しくて……」
ポロポロと、涙が出始める。
馬鹿みたい。自分で自虐みたいなことして、勝手に泣いて、翔人くん困るだろうなって思った。
「嫌なら断ってくれていいよ、でも!私が、翔人くんを好きなのは、ずっと変わらない!」
「……」
翔人くんは私の話を最後まで聞いていた。最後まで言い終えると、私の顔に何粒か雪が付いていた。涙と一緒に拭き取り、翔人くんを見つめ直す。
すると、翔人くんは下唇をかんで、少し考えた後、私を見て、大きく息を吸い。
こう放った。
「俺だって!沙麗さんが好きだ!」
「っ!?」
「いつも筋トレに誘うのも!沙麗さんにだけ本音が言えるのも!全部あなたが大好きだったからだ!」
「し、翔人……くん……」
「中坊でも、ガキでも、恋をした相手に年なんて関係ないって、そう思えた」
翔人くんも涙目になり、声を震え始めていた。
「だから、沙麗さん!」
「……はい…」
すぅぅ!……と、息を吸って翔人くんは大口を開けて叫んだ。
「俺の恋人になって下さぁぁい!」
「………はい!」
この日、私は一生忘れることの無い、翔人くんとの出会い。
「大好きだよ!翔人くん!」
「俺も、好きだよ、沙麗さ……んむっ!?」
感極まった私は、翔人くんを抱きしめ、冷えた唇に自分の唇を重ねた。翔人くんからの告白を受けてから彼への愛おしさが抑えきれなくなった。
好き、大好き。
「ん、んんんー!」
「ちゅ……はぁ………翔人くん……」
「沙麗……さん」
10秒くらい続き、私は唇を離す。真っ赤になった顔で私を見つめる翔人くん。多分、私も同じくらい真っ赤なんだろうなと思いながら、照れ笑いをする。
「じゃあ、これからよろしくね、翔人くん!」
「……うん!」
もう一度、ギュッて抱きしめる。二度と離れたくない。ずっと、彼のそばで寄り添っていたい。
私はこの日、翔人くんと恋人になった。
それから一年後、翔人は私の母校、神奈川県立舞原高校に合格した。
進学校でもあり、並びにスポーツとしても有名な選手を輩出している。
「ね、翔人」
「んー?」
「チュー」
土曜日の午前中、翔人が新しく買ったゲームをしている時、私は急に翔人が恋しくなった。
近くに居るのに恋しいってなんだか変だけど、今はずっと触れていたい。
でも、私は成年で、翔人は未成年。性行為は同意の元でも犯罪になる。そのため、手は出せないけど、キスまでなら、何度もしている。
「……ちょっと待って、今いいとこ」
「……んっ!」
「あっ………んっ…」
翔人がいつまでもこっちを向いてくれないから、コントローラーを取り上げて、こちらを向かせた時に、私はキスをした。
翔人がしていたのは有名なレクリアのゲーム。元からゲーム好きな翔人は小さい頃からレクリアのRPGをしていた。
「んっ……ちゅ…」
「んんっ…」
「はぁ……」
「ちょ、あ!死んでるじゃんか!」
コントローラー取り上げたことにより、翔人が操作していたキャラクターはゾンビに殺されて、ゲームオーバーになっていた。
「うっさい!いつまでも振り向いてくれない翔人が悪い!」
「今いいとこだったのにぃ…」
「おお?今から舞原に電話して手続き取り消すか」
「すいませんでした」
見事な土下座で翔人は謝る。
私は大きく口を開けて、「あははっ」と笑う。こんな休日も悪くない。
これが11歳差には見えないんだろう。26歳と15歳の私たちは1年経った今でも、お互いを愛している。
年上彼女は甘えながらも奉仕がしたい! 二川 迅 @Momiji2335
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