不穏

不穏

黒人コクト

白人ハクト視榀みしなはなんて?」

「“刻、満ちれば月があかわらうだろう”」

「……そうか」


ビルの縁に座っていた黒衣を纏っていた青年が音もなく立ち上がる。

黒衣の青年コクトと対を成す白衣を纏った青年、白人が街を見下ろした。


彼岸ひがんが醒めるまで、蒼月そうげつが休まれば良いけど」

「その為の鮮血が嫌でも必要になる」

「集めなきゃね」

「集めなきゃな」

「「我が主の為に」」


色違いろたがいの狐面を被り、黒白の狐は姿を闇に消した──…。

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