第9話
職員室…あんまり嬉しくない言葉の響きだ。
職員室へと向かう=説教というイメージがあるからだ。
勿論、瑠也と良一にとってだが…。
「フロファンの事で相談だったよね?
効率のいい狩場がどこかないか?とかステ割はどういう傾向で上げれば強くなれます?とかかな?
それとも、先生とパーティでも組みたいのかな?ダメダメ!先生と生徒のパーティ…なんかヤラシイ雰囲気だし、先生はなるべくみんなを指導しないといけないし!
あー!どうするのが正解なの!先生困っちゃうなー!」
先生が暴走し始めてしまった。
先生…残念なキャラだったんですね…。
変な妄想に入っている先生を瑠也が呼び戻す。
「先生…そんな相談じゃありませんよ!」
すらと先生は恥ずかしがりながらバタバタしながら正気に戻っていく。
「瑠也君に良一君、さっきの先生の事は忘れて下さい!
ゲームの事となると…あーなっちゃうんです。
で相談はなんですか?」
先生が正気に戻ったところで瑠也が相談を始める。
「えーとですね、フロファンの最初にチュートリアルってあるじゃないですか?
先生やりました?」
先生は顎に手をおきながらさらさらと答える。
「ええ、あのチュートリアル報酬は初期段階ではかなり魅力的だったからね。
チュートリアルがどうかしたんですか?」
それを聞いた良一は絶望的な顔をしながら崩れ落ちた。が無視して話を続ける。
「チュートリアルの報酬にですね、シークレットクエストクリアと表示されて、シークレットクエストクリア報酬があったんですけど、先生何か知ってるかなと思いまして。」
先生はバタンと立ち上がり瑠也の肩を掴む。
かなり興奮した様子である。
「シークレットクエスト?
報酬の内容は?シークレットクエストの発生条件は?」
勢いよくくる先生にびっくりしていると、先生がまたバタバタしながら正気に戻っていく。
「ごめんごめん!また興奮してしまったわ!」
そうして瑠也が体験した事と推測を合わせた事を先生に伝えると、先生は考え込む。
「SPガチャチケットね〜?
瑠也君の推測通りチュートリアルを行って、シークレットクエストが発生するならば…いやフロファンの運営に聞いてみればいいのか!
もしかしたら、1人ずつクリアしたらなくなるクエストかもしれないから…あー分からないわ!
でも確実な事をいえば、瑠也君はかなりのお金を手にする事になると思うわ。
借金はちゃら加えて利益もあると思う。」
借金がなくなる?それに利益もでる?そんな事はないんじゃないだろうか?
「えーと…それはさすがに冗談でしょ?」
先生の様子から見て冗談ではなさそうだ。
しかし、そんな大金が動くのだろうか?
「この事は校長とか運営に連絡しておくから、瑠也君はフロファンを楽しんでちょうだい!
多分、瑠也君の動画とサイトはかなりの人気が予想されるから驚かないよにね。」
先生から早く帰ってフロファンやれって言われ寮に帰っていく。
なんか忘れてる気がするんだが分からないがまあいいやと開きなおり、先生が言ったサイトと動画の事を考える。
まあ、冗談だろうな!そう思い歩いていく。
〜その頃職員室〜
「えーと良一君?瑠也君帰っていったけど?
おーい?良一君?大丈夫?」
先生の声は良一には届いていなかった。
良一は独り言のように呟いている。
「チュートリアル…
なんで俺は…」
急に立ち上がり、良一は叫びながら帰っていく。
「チュートリアルなんて…思ってた俺は馬鹿だ!!」
走っていく良一を見ながら、先生は笑う。
「ふふふ、あれが青春なのね!」
先生…残念なキャラは治りそうにないですね。
良一も十分残念だと思うけどね。
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