第152話

 ショーリは心配な顔で、

「どうする? マジで具合が悪かったら、ここに自転車置いて、バスか、タクシーで帰る?」

 と訊いてきた。


「平気だよ! これくらい。」

 首を振って微笑んだ。

 全くのカラ元気だ。

 しかしそうでも言わないと余計、迷惑をかける。


 それから、ゆっくりと自転車を転がした。

 行きよりも、かなりのペースダウンだ。

 辺りは暗くなって照明が頼りだ。

 歩行者は、ほとんどいない。

 右には真っ暗な東京湾が潮騒だけを奏でていた。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る