第137話

 気づかない内にかなりの距離を歩いてしまった。


「うっわ~…、こんなに歩いちゃったンだ。」

 砂浜を歩いて引き返さなければならなかった。


「だから、途中、何度も引き返そうって言ったのに、イチゴが全然、聞き入れなかったンだろ!!」


「フ…、だって、高校最後の夏の海だよ。」

「え…、まぁ、そうだけど…。」


「なんか…。もっと想い出に残るイベントがあったら、良いのになぁ!!」

 夕闇が迫っていた。

 静かな潮騒が耳に心地好かった。

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