第122話

 お姫様ダッコのまま砂浜に着いても、私はカレの腕の中で、

「ゴッホ、ゴッホ…ッ」

と咳き込むばかりだ。


「フフ、なぁ~んだ。

 ポチャッたって言うから、心配したら、思ったより全然、軽いじゃン!!」

 ショーリは私をいたわるように軽口を叩き、砂浜でお姫様ダッコをしてダンスを踊り出した。


「う、ゴッホ…ッ、バカ…、もう良いよ。降ろして…、あとは、自分で歩けるから…!!」

 急にダッコされているのが恥ずかしくなった。


 しかしショーリはそのまま私を砂浜まで運び、ゆっくりとブルーシートの上に下ろしてくれた。



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る