第20話 横須賀ネイビーパーカー

 私が応えると、横から勝利ショーリが割り込んできた。



「ねぇ、ねぇ~、じゃァ~、【横須賀ネイビーパーカー】は……!?」

 不意に、口を挟んだ。


「あァ~ン……?」

 思わず私は彼を睨みつけ、声を張り上げそうになった。



『え…、横須賀ネイビーパーカー…!?』

 スマホの向こうでサンタが聞き返した。



「……😓💦💦💦」

 一瞬、気まずい沈黙が訪れた。



 すぐ隣りで、勝利ショーリだけがニヤニヤ笑っていた。



 遠くで汽笛の鳴る音が聴こえた。



『ンゥ……、横須賀ネイビーパーカーねぇ~……』

 スマホの向こうでサンタが繰り返すように呟いた。



「あ、いや……、ち、違うンだッてェ…… ウチのアイデアじゃないしィ~…… 

 そんなダッセェ~のォ~ーー❗❗」

 必死に取り繕った。

 勘弁してくれよ。


 ウチの発案にされたら、また引かれるだろう。



『アッハハ……😆🎶✨ 何、それェ……

 ウッケるゥ~ーー…✨✨💕』

 意外にもサンタは爆笑した。



「ちょッちょっとォ~ー…、聞いてるゥ~❓

 サンタァ~~ーー❗❗

 ね、ウチが言ったんじゃないからァ~❗」

 急いで言い訳をしたが、まったくサンタは聞く耳を持たない。



『超ォ~~…… ウケるんですけどォ……

 何ィそれェ……』


「いやいや、ウケるッて、あのねェ……」

 言い出したのは、ショーリなんだから……



『じゃ、みんなにライン送っとくねェ~ーー……😆🎶✨』



「えェェ~ーー~ーー……😲💦💦💦

 ちょっと待ったァ~❗❗

 送るなァ~~ーー❗❗」

 すぐさま私は必死に制止をうながした。



「フフ……、ほら、イチゴォ~……」

 ショーリは微笑みを浮かべ、したり顔だ。

「なァ~、ウケるだろォ……😆🎶✨」


「はァ~……😳💦💦💦」知るか。

 あんたの所為で、またトラブル発生だ。


「ちょっとォ~ーー、サンタァ~❗❗❗

 ダメェ~ー送信しちゃァ~❗❗❗」

 何としても、サンタを説得して阻止しなければ……



 だが、サンタはあっさりと。

『え、何でよ…… もうみんなに送信しちゃったわよ……』



「えええェェ~ーー…… あのねェ……」

 マジか。





※。.:*:・'°☆ノ∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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