第15話 横須賀が大変だって時に

「なんだよ! せっかく間接キスが出来ると思ったのにィ~……」

 ショーリは、残念そうにペットボトルを見つめた。



「はァ~~ー…… 勝利あんたは、厨二病、真っ盛りかァ~~ーー❗❗ 

 マジで、バカなんじゃないのォ~ー❗❗」



「いやいや、イチゴからすれば、男子なんか、全員バカだろォ……」

 茶化すように肩をすくめた。



「別に…… そんな事はないわよ」

 つい唇を尖らせた。

「ッて、言うか。ショーリが特別天然バカなんじゃん❗❗❗」



「え、え❓❓ 何、それェ~ー……

 特別天然ッてェ……❓❓

 オレは、朱鷺トキじゃねぇ~ンだからァ~……❗❗」



「フン、だいたい勝利ショーリなんて、名前からしてふざけてンのよ……」



「え❓❓ 川崎 勝利ショーリが……」

「そうよ…… 横須賀出身のクセに、どこを応援してンのよ…… 

 川崎フロンターレ……❓❓」



「いやいや、名前をオレに言われたッて困るよ…… そんな事、親に言えよ❗❗」



「ったく、今、横須賀が大変だって時に~……!!」


「えェ……、何々……、そんなに横須賀ッて、大変なの……?」



「ハッハ… ッたく、危機感ゼロね……

 ま、他人ヒトの事は言えないけど……

 ねぇ~…、日本で一番、過疎化が進んでるトコどこか知ってるゥ……?」



「かそか…って、何……

 なんか貸すの……」


「あ、のねぇ…… 貸すンじゃねェ~よ❗❗

 過疎だよ。人口が減っていく方の過疎……!!」

 私って、そんなに滑舌悪いのか。


 それとも勝利ショーリの頭がボケてンのだろうか。



「うゥ~ン……、そりゃ、福島でしょォ!

 原発問題で、村一個、減ったじゃん❗❗」



「うん、だから、それは2011年の事でしょォ…… 今よ。今ァ~❗❗❗」



「えェ……、今ねぇ……😔💦💦💦

 やっぱ福島か、東北のどっかじゃないの」



「だと思うよねェ…… 普通……」

 私もウンウンと頷き苦笑した。



 それが、ごく常識的な考え方だ。






※。.:*:・'°☆ノ∠※。.:*:・'°☆ノ∠※。.:*:・'°☆

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