第8話 企画案

「いやいや、マジでしょ~ー……!!

 イチゴォ~ーー!! ほら、見なさいよ。鼻の下に汗をかいてるじゃん」

 ふざけてサンタは私の鼻の下を突っつこうとした。



「な、違うッてェ……。別に!!」

 咄嗟に、私はけて両手で鼻の下を隠した。


「フッフフ、バレバレだよねェ……。

 イチゴは焦ったりウソつくと、すぐに鼻の下に汗かくからさァ~~……!!」

 みんな承知していた。



「ッるさいなァ~……。じゃ、自分らだって何か、提案だせよ。

 企画案をォ~ー……!!」



「え、企画……」途端に全員の声が小さくなった。

 


「そ~よ!!」

 ユリアンが教師らしく注意した。

他人ひとの案を非難するのは、簡単じゃない」



「フゥ~ン……」

 サンタも口を尖らせた。



「だよねぇ~ー!! あんたらもそんだけ、クレームつけるンなら、ちゃんとした対案を出しなさい!!」

 私も逆に突っ込んだ。



「えェ……!!」

 他のみんなも顔を見合わせ苦笑した。



「フフ、わかったわよ。じゃ、宿題ねェ」

 ゴンちゃんは勝手に決め、帰り仕度を始めた。



「えェ……、宿題……?」

 ウチは面倒臭いので、こんな事は、すぐこの場で決めてしまいたい。



「そォ、いきなりここで、結論出せたって、良い案なんか、出ないじゃン!!

 今夜ひと晩くらい考えさせてよ!!」

 ゴンちゃんの意見に全員、賛同のようだ。


「賛成ェ……」

 一斉に、みんな帰宅する用意をした。






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