朔~9~

 長い授業がもうすぐ終わる。問題が簡単すぎて暇だ。なぜか数学だけは出来るんだよなぁ。


 キーンコーンカーンコーン


 よっしゃっ、終わった。桜子に話しかけ……。


「おーい、朔。今日遅かったじゃんか。何やってたんだよ?」


 俺が桜子に話しかける前に、俺が話しかけられてしまった。


「色々あったんだよ」


「思春期朔くんの色々とか意味深すぎ」


「うるせぇ」


 桜子がこっちを見ている気がするが、気のせいだろうか。このままじゃ、話しかけられない。休み時間になればいけると思ったのに。


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