朔~5~

「朔、朔。起きろー」

 

 カーテンが開けられているのかめちゃくちゃ眩しい。誰かが俺を呼んでいるが、誰だろう。あぁ、これが桜子だったらいいなぁ……。


「朔、遅刻だよ」


 素晴らしいものを想像していたら、突然現実に戻された。目を開けた時には声の主はもう背を向けていた。


「なんだ、姉ちゃんか」


 遠くから「なんだとはなんだ」と聞こえてきた。


 起きなきゃなぁ。起きたくねぇな。昨日の決意は何処にいったのか。


 ふと時計を見ると、朝礼が始まる十分前だった。


「完全に遅刻じゃー」



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