桜子~5~

 朝になってしまった。


 学校行きたくない、いやそういうのとは違う。


 朔に会いたくない。いやすごく会いたいんだけれど……。


 どんなに布団の中で葛藤しても起きなきゃいけない。朝ご飯も食べないといけない。


 うだうだしていたら時間を無駄にするだけか。起きなきゃ。


 

 起きて顔を洗った私はゆっくりリビングに向かった。


「おはよう」


 朝ご飯の仕度をしているお母さんに挨拶をする。


「おはよう、桜子。あら、寝不足? 隈があるけど、眠れなかったの?」

「んー、まぁ」


 私の微妙な返事を聞いた後は、それ以上何も聞いてはこなかった。


 あぁ、学校行かなきゃなぁ。




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