第2話 俺の力
サンクションという組織へ入団…?を迫られた俺はよくわからないうちに自分の力…とやらを知るためにセンセイの元へ行くことになった。
ビルをでて、裏路地に入りひたすら進む。
「あの…まだですかね…」
「あともう少しだ」
「…はい…」
かれこれ30分は歩いてる気がする…
歩いてる気がするだけだろうが…
「…ここから少し危険になる、早めに通り過ぎるぞ。」
「危険って…」
そういうなりゴルゾさんは足早に行ってしまう。
「え、ちょ!」
「こっちだ」
腕を無理やり引っ張られほぼ引きずられる感じで目的地に到着する。
「…しんどい…」
「んだぁ?体力ねぇなぁ」
「40歳に体力を求めるな…」
「まだ40歳だろうが俺は47だぞ」
「嘘だろ…」
そのまま引きずられるように中に入る。
「せんせー、連れてきましたー」
ガチャっと手前の扉が開く。
「あぁ、こっちにおいで」
出て来たのは30半ばの白衣姿の女だった。
髪は桃色がかった茶髪で、短髪だった。
モノクルをつけており、パイプを吸っていた。
どう見ても怪しいその女の跡をついて行く
すると家具が一つもないコンクリートの壁の部屋に連れて来られた。
「じゃあ、俺は外で見てます」
「あいよ」
と、ゴルゾさんは部屋を出て行ってしまった
正方形の広い部屋。
そして床に大きないわゆる魔法陣が描かれていた。
「あの…俺死にませんよね…」
「んー、わかんないね、まぁ多分大丈夫だ。
最悪あたしが作り直してやっから安心しとけ」
「…作り直すって…」
「はいはいもうお喋りは終いだよ、ほら、集中しな」
その女が俺の足元に紙を落とした。
その紙には俺の名前が書かれあった。
そしてその上から魔法陣が描かれていた。
その紙が床に落ちた瞬間、俺の体に何かがはしった。
足元から伝わる稲妻の様なもの。
立っているのが精一杯だった。
声も出せないほどの力が俺にかかった。
「…ほら、アンタの能力が見えてきたよ」
「な……?」
確かに、見えた。
裁判などで使われる、小槌が俺の目の前に薄っすらと現れた。
小槌…とは言い難い俺の身長の半分ぐらいの大きさだった。
「これが、アンタの能力。
見たところジャッジガベルだねぇ…制裁者っぽくていいじゃないの」
しばらくして謎の力の波が収まった。
「これが…俺の…?」
「そうだよ、ほら持ってみな」
「いやいやいやいや…デカすぎだろ!持てるわけ…」
ヒョイッ
まさにそんな感じだった。
俺は自分の身長の半分ほどある小槌を片手で持ち上げた。
「おー、なかなかカッコイイじゃない。
金色で装飾品も見事だねぇ〜」
「…」
「あはは!硬直してら!!」
…あー…こんなでかいやつ誰が作ったんだろー
そんな現実逃避をしている俺をよそに後ろの扉からゴルゾさんが入ってきた。
「なかなかかっけぇじゃねぇの!いいねぇ!カッコイイねぇ!」
といいながら俺の背中をバンバンと叩いてくる。
「よし、力も見れたことだし、正式に入社ってことでいいな?」
「やったねゴルゾ。みんなも喜ぶな!」
「…あはっ」
何故か笑いがこみあげた。
「じゃあまずは入社パーティーの準備をしよう!!
皆今任務に行ってるから明日でいいだろ???
よし、パイでも焼いてやろう、俺意外とうまいんだぜ!?」
襟首を捕まれ引きづられながらセンセイの元をあとにした。
これからここで働くのかと思うと、先が不安になった。
to be continued…
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