クズの町
治安が悪く喧嘩や盗みなどが当たり間のように毎日行われている町がある。
そこには金がなくて貧乏生活している奴や多くのチンピラなどが住んでいる、この町にはあまり近づく人はいないが迷い込んだ人や一度見てみたいという面白半分の人などから物を売ったり盗んだり奪ったりしてお金を作りギリギリで耐えしのいでいる。
チンピラが隣りの町や運搬中の馬車などから食料品や水を奪い町に持って帰りそれをこの町に来た人に売り金を作り生活しているという町だ。
食料もどこから奪ってきてそれを買うお金もどこからか奪ってきている。
全ての人に迷惑をかけていることからからこの町のことは「クズの町」とまで言われているほどだ。
その町の中は当然のように酷く。
地面はデコボコしている土で周りには今にも壊れそうな建物などが並んでいるその周りにテントなどを作って暮らしている人がほとんどだ。
町の人々の年代は上から下まで様々で、一人で住んでいる人や友達と家族と住んでいる人もいるこんな町にも子供がいる家族もある。
この町に住んでいる人は、お金を誰かに取られてどこかに行くこともできず仕方なくこの町に住んでいる人などが多いいが中にはこの町が気に入っているという人もいる。
お金を取られて次々にこの町の住民になって行くため日々少しずつ人口は増えていき食料を巡った喧嘩や盗みも増えていく。
この町が気に入ってしまった人は。前に住んでいた町などではルールなどが厳しくてあんまし好き勝手にできなかった人達からしたらこの町は楽園に見えるということだ、基本的にルールはなく何かを奪っても誰かを殺しても罪にはならない。
最初は盗みなんかしないと言っていたやつも徐々にこの暮らしに溶け込んでいき盗みを始めてしまう。
そんな町だから町をよくしていこうとするものはこの町には一人としていない、これが正しいと思っているためより良い町にしていこうなどの行動が起こるはずがない。
いくらたっても全く成長しない「クズの町」だ。
だから犠牲者はどんどん増えていく。
毎日のように一人一人と。
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この町に入ってしまったことを絶賛後悔中の少年ライフは肩を落とし嘆息しながら歩いていた。
ライフは――黒い目に黒い髪に黒い洋服に身を包んでいる、ガタイはあんましいい方でもなく身長も普通ぐらいのあんまし特徴がないいたって普通の青年だ。
ライフがこの町に来たのは――何か用があったわけではないただこんな底辺な町に来たら何か面白いものがあるんじゃないかという興味本位でこの町に来てしまった。
ライフには家は存在しない家族やいつも一緒にいる人はいないだから旅人として色々な町とかを旅してまわり楽しんでいるのだが今のライフは楽しんでいる状況ではない。
軽い気持ちでこの町人踏み入れたことが自殺行為だったことを噛みしめていた。
「まさか来てそうそうに金取られるとはな」
自分でも恥ずかしい状況に少し笑みが零れる。
この町の危険性は理解していたが新しい町に来て舞い上がってしまった。
中々いいものがあり買おうと財布を出した瞬間ぱっと走ってきた奴に財布を取られライフが頭が回らず固まっているとまんまと逃げられたという何とも情けない話だ。
その後固まっていたライフを見てそれを売っていたおじさんは「お金ないならどいてくれる」と盗まれたことに何も動じないで言ってきた言葉でやっとこの町の危険を理解したのだ。
「まさかここまでだったとは」
この町をライフは完全に舐めていた。
この町の人全員が悪い人ではなく優しい人達もいてか弱い女の人などもいると思っていた。
可愛い女の子が襲われているのを助けることによって新しい出会いなどができるという考えを夢見てこの町に来たのだがそんなことはなかった。
財布を取られて改めて町を見ていたがどちらかというと女の人にやられている男の人の方がよく見る現状だ。
その光景を見ていて目が合ったら「なんだよ殺すぞ」と物騒な声が飛んでくる始末だ。
この町にいたら助けるのではなく襲ってきそうな雰囲気な人が多いい。
ライフは改めて状況を確認しようと所持品を見る今の所持品は――食べ物を買ってポケットに入れといたおかげで生き残った500円・・・・・・のみ。
さっきも見たのだがもしかしたらと思い見ても当たり前だがその量は変わらない。
生き残った者たちを手のひらでギュッと握り締めライフはまた嘆息をする。
「最悪だ」
今の状況にこれ以上最適な言葉はあるだろうかお金さえあればいいだろうとお金だけ持っていたのにそれを取られたのだ。
もう少し多ければこの町の人を雇って手伝ってもらうこともできたかもしれないがそんなことができる金額ではない。
いやもう少し持っていたところで脅されるのが落ちだろう。
(まだ金が返ってくる確率はあるはずだ、たぶん少しぐらいは)
ライフは財布を盗んだ犯人が見つかる少しの確立にかけて周りを注意深く見まわすもチンピラが多すぎて埒が明かない。
この町のどこかで喧嘩が起きていると言っても信じるレベルで喧嘩がおきているこれは数十分この町に見てきたライフの感想だ。 この町に住み続けている人は喧嘩が起きたらはやし立てるように騒いだり、もう見向きもしなかったり完全に生活の一環として喧嘩が入っている。
ここまで喧嘩が溶け込んで来ると逆に感心してきてしまうものだ。
その他にも子供が落とした物を奪い合う人、落ちていたお金を俺のだと主張する10ぐらいの人、数人の人から追いかけられている人など、確かに罰を受けない無法地帯ならこの様な光景は当たり前だろう。
そんな町で顔も知れない特定のチンピラを見つけるのは至難の業だ。
少ない情報として盗んだ犯人は少なくても子供ではなかっただが走り抜けていったため顔もわからず年齢さえも分からない。
「一体何人ぐらいこの町にいるのか」
こんな奴らが町全体にいると思うと気が重くなる。
ライフは旅をしているので仕事も当然なくお金を稼ぐ方法は賞金がかかった人や売れそうな物を旅の途中で見つけて売るなどで稼いでいる、収入は安定していなくお金が入るかもわからないそれなのにお金を失うのはかなりきつい。
もし見つからなかったらお金が十分に貯まるまで地べたで寝てあんまし食べ物などは食えなくなるだろう。
それを防ぐためにも何としても見つけなければいけない。
「財布が見つからなくてもお金が戻ってくればいいんだけど」
当たり前だがライフが必要にしているのは、財布ではなくその中身だお金が戻ってくれば全てがうまくいくのだ。
今思うと低い確率の取られた財布を探すよりもっと有効的な手段があるかもしれない。
財布を見つけることだけをしていて、見つかったらいいのだがそれで見つからなかったらダメージがでかい何かお金を手に入れられることをしながら少しでも探すってのが一番ダメージが少ない。
「まあこれからどうするか決めるためにも状況の整理をした方がよさそうだ」
ライフは視線の先に入った丁度座れそうな岩に座り込む。
「まず一番手っ取り早い財布を見つけるだがそう簡単に見つからないとなるとそれだけに集中するのはやめといた方がいいかもな」
これはさっきも考えたようにリスクがでかすぎる。
「そうなると何をして金を稼ぐかか?」
ライフが真剣にどうするか考えていると「いらっしゃい」などの商売している人の声が聞こえてくる。
「いっそのこと俺もこの町の人みたいに何か売るってのも一つの手段だな」
ライフは口に手を添えてひらめいた一つの手段を声に出す。
この町の人は自分の店を作り自分勝手に色々な物を売っているそれは――剣や銃など戦うための武器が売っているところもあれば謎の食材を売っている人がいれば奇跡の石などと書いているインチキまる出しなような物を売っているところとにかくたくさんの物が売られている。
そのほとんどが許可なく勝手に売っているようなものがほとんどで見つかったら一発で捕まるのだがこの町には警察はいない好き放題にやっているのだ。
多種多様な物を好き勝手に販売しているのだライフでもできなくはないだろうし誰も文句は言わないだろうと思ったが。
「いやそれじゃこの町の住民になりそうだ」
何か売るとなると時間がかかりそれまでにこの町に溶け込み住民の一人となってしまいそうだった。この町の住民のほとんどは無くなったお金を稼ごうとしていたらいつの間にか住民になっていたなどだろう。
ライフにとって住民になるのは一番最悪のパターンだ。
だから物を売ることは無理だとライフは判断する。
「俺も盗まれたんだし他のチンピラから奪うってのは」
こちらも先にやられたし、見た感じ取られた時他のやつは全然騒いでいなかったそれはこの町では普通なのだ。
「だが何も関係ないやつを巻き込むのはな」
これはこの町のチンピラにこの町の住民になってしまう気がし拒絶した。
ライフは自分が納得する答えが出ず頭をかく。
「それにそれでこの町のボスってのが怒ったら面倒だし」
流石に何の情報もなしにこの町に訪れたわけではない、少しだが色々な所からこの町の情報を掴んでいた。
この町にも一応、国の王みたいな存在がいるらしい当たり前だがそいつのいい話は全くといって聞くことはできなかった。
どうやら少し前に武力でこの町のボスが入れ替わり前よりさらにきついお金をとられているらしい。
この町にはお金を奪う人が出るほどお金がない普通なら誰も従わずお金など献上しないのだがそのボスは圧倒的な力を持っていて従わないやつは殺しているらしい。
そうして住民はビビッてお金を渡し、お金が無くなり奪い、またお金を渡すという不のループに入っているってことだ。
住民全員でボスに攻撃を仕掛けても全員殺されるのは目に見えているらしい。
それがこの町の住民が事を起こさない一番の理由だった。
「どうしたもんかー」
中々いい案が浮かんでこない、その原因はこの絶望的な状況なせいと思考力を奪うこの暑さのせいだろう。
額から汗が垂れてきて水分が奪われるただでさえお金がないのだこのままだと干からびてしまいそうだ。
さらに風が吹いてなく地獄かと錯覚してしまいそうな暑さだった。
「?」
暑さのことを考えていると急に今まで感じていた暑さが半減され、ライフは反射的にゆっくりと顔を上げる。
顔を上げたおかげで涼しくなった理由が分かる、傘が太陽の光を遮り日陰になったのだもちろんその傘はライフが持ってきた物ではない。
一度もあったことない顔も知らないきれいな女性が傘をもってライフの上をかざしていた。
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