白光小僧
きし あきら
白光小僧
向こうの家の屋根が、いやに
子どものころ一度見たきりで、そのときは隣にいた祖母が名前を教えてくれたのだった。せっかくだけれど構ってやれない。こちらは連日の寝不足で、やっとこの時間に
なのに向こうさんは張りきって屋根でびたびたやっている。眩しいの、うるさいの、背を向けようが眠れたものじゃない。
しかたなく起きて、台所から
狙いは違わず当たったはずが、なにが嬉しいのか小僧はますますびたびた跳ねる。うるさくて
壜が空になると台所へ戻って、ほかの甘くてちいさなものを探す。昔、祖母がそうして追い払ったのだ。
ところが、目についたのを残らず試しても効く気配がない。金平糖、かりんとう、みかん、ふかし芋、握り飯……。このままでは塩を
すがる思いで仏間を見ると、そこに供えられた
ぎゃっ。短い鳴きごえをあげて、白いからだが伸び縮みする。屋根から転がり落ちそうなのを
白光小僧 きし あきら @hypast
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