私が描いたのは空白の世界でした
@Raincat
第1話 迷妄する画家と太陽
私は
それは画家にとって最も重要であることは何かだ。
大抵の人は
だが私にとってのソレは
駅員『2番線列車が参ります。黄色い線の内側でお待ちください。』
時刻は7.30を過ぎる頃。ここから大学までは30分といったところだ。9.00からの授業開始には余裕をもって間に合うだろう。
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『専門学生??4大にいかないで大丈夫?そんなに頭悪かったっけ?』
『絵描いて飯食ってけれるのか?そんなことできるのは一部の天才だけだよ?現実見えてる?』
『貴方には才能がない。ただ
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握ったスケッチブックが手汗で
縁『自分を律しろ
小さな声で呟き決意を固める。これ
で何度目だろうか。
???『おーい!縁!おはよー!』
改札からホームに向かって大声で呼びかけてくるのは私の幼馴染“
彼女は猛スピードで階段を降り私に向かって抱きついてくる。
縁『ちょ紗蘭!スケッチブック落ちちゃう!まったく…紗蘭は朝から元気だね。』
紗蘭『あたぼーよ!朝は1日の始まり、何事も始まりが肝心ってね!だからこうして縁成分を』
呆れながら拘束を解いて、額にデコピンをする。
紗蘭『いったー!何すんの縁!』
縁『ごめん。つい防衛本能で。』
こうして紗蘭にデコピンするのも数え切れないくらいだ。私にとって彼女は唯一無二の友人であり、理想像でもある。
彼女の絵描きとしての努力、才能、そして行動力は私にとって手の届かない場所にある。
私にとって…というと伝わりにくいから言い改めよう。彼女は1000年に一度の逸材とまで言われた誰もが認める天才画家である。
昔から彼女の絵は皆を魅了した。私はそれに感化されて絵を描き始めた。
憧れた、
それでも彼女は笑って許してくれた。悲しい時は一緒に泣いてくれた。
私にとって“紗蘭”という存在は導…太陽そのものだ。
紗蘭『ん?なんか縁暗い顔してない?また悩みでもあるの?』
縁『え!いやいや大丈夫だよ!私朝弱いから、まだちょっと眠いだけ』
欠伸の仕草をとって誤魔化すと彼女は安心したように笑顔を向けた。
紗蘭『そっか!また悩みがあったらいつでも言ってよ!我が親友!』
縁『ありがとう。紗蘭は優しいね』
紗蘭『なっ!そ、そんなことないよ!変なこという縁には抱きつきの刑だ!』
照れ隠しかまた彼女は抱きついてくる。再びデコピンをして彼女の声がホームに響き渡り、いつも同じ1日が始まる。
そう考えていた私とは対称的に私の人生を変えるような劇的な1日が幕を開けたのだった。
私が描いたのは空白の世界でした @Raincat
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