第三章 海色神隠し

プロ*ー*

 私は待っている。

 竜の城に囚われたお姫様のように。

 いつか勇者に抜かれる剣のように。

 胎盤で夢を見る赤ん坊のように。

 私は待っている。

 いつか私を連れ出す誰かを、待っている。


 ここは深い深い、海の底。

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