第219話 ドラゴンキラー
――どうしてこうなるのだろうか……――――
九郎は首を捻って真剣な表情で考え込んでいた。
「や、や、やっぱすっげーよ! クロウ。殿下がお認めになるだけの事は……んぐふっ」
珍しくベーテが慰めの言葉を掛けて来ていた。とは言え、後半耐えきれないかのように噴き出した事を考えると、からかい目的だったのだろう。
「あなたの非常識さにはいつも驚かされてばかりですね。火山口に落ちて無事なだけではいざ知らず……」
アルフォスはベーテよりはマシで、神妙そうに火口を見つめて感嘆の言葉を呟いていた。
ただし、その肩も小刻みに震えている事からして馬鹿にされている感はぬぐえない。
「あ、あんまり笑うのは失礼じゃないですか! アルフォスさんもベーテさんも、クロウさんに冷たいんじゃないですか!?」
「フォルテェェェェェ……」
「…………んっ」
裏表なく九郎を庇ってくれるのはフォルテだけのようだ。
感極まって九郎がフォルテに顔を向けると、フォルテは息を詰まらせそっぽを向いた。
明らかに何かに耐えているフォルテの、震える肩を眺めて九郎は再び眉を落す。
「アルトぉ……」
助けを求めるようにアルトリアに視線を移すと、アルトリアは目尻に涙を浮かべて痙攣していた。今迄見て来た彼女の中で、一番死にそうなのが何とも感慨深い。全裸を見ても発情しなかったことには、彼女の成長を褒めたいところだが……。
――どうして自分が格好をつけようとすると、から回ってしまうのだろうか……――
いくら考えても答えが出ない。九郎は
マグマの海に沈んだ九郎は、体が熱に慣れるのを待って、マグマから這い出ていた。
水よりもよほど比重も重く、粘度も高いマグマであれば、体が溶けなくなれば自然と体はマグマの上に押し上げられる。沈んだマグマの海から、スーパーヒ〇シ君人形よろしくせり上がって来た九郎に浴びせられたのは、自分の身を案じての歓声ではなく爆笑の渦だった。
皆を安心させようと、沈む間際にネタを仕込んでみたが、考えてみれば、誰も元ネタを知らないだろうから、ただの自己満足でしかない。きっと自分がせり上がって来るまで、皆気が気では無かっただろう。ならばせめて、自分の不死性がこの程度では毛ほどの心配も無用な事を知らしめようと、余裕を見せようとした事が裏目にでてしまった。
「おいっ! 動くなって……。ま、前は自分で出来るだろ?」
「じゃあ僕が……」
「フォルテっ! お前は荷物の方に行ってろ!」
「えー? 姉さん、僕の恋路の邪魔ばっかりしてない?」
「こ、こ、恋路とか言ってんじゃねえ!」
九郎の背中でリオが苛立ちをつのらせた声を上げていた。同時に皮膚を引っ張る感触と共に、ペキペキと硬質な音が鳴る。
マグマがどれだけ液体であろうとも、水では無い事がこの微妙な空気の原因だった。
高温で溶けた溶岩も、温度が下がれば凝固する。熱を伝えない九郎の体を覆ったまま、急激に冷やされた溶岩は当然のように凝固した。
余裕を見せようと涅槃像よろしく肩肘を付いて寝そべったまま浮き上がって来た九郎は、全身金色に光り輝いていた。溶けていた金属の中に、光り輝く物質が大量に含まれていた事が起因していた。
絡む部分の多い髪の毛と一部は、他の部分よりも多くの輝きを放っていた。簡単に言えば、マグマからせり上がって来た九郎は、鍍金されていた。
金色に輝くドヤ顔の男が溶岩からせり上がって来たのだ。しかも頭部と局部は一段強い光を放ってである。笑うなと言う方が無理な話だろう。
「しまらねえ……笑いを求めたわけじゃねえんだけどなぁ……」
九郎はがっくりとうなだれ頭を掻きむしる。パラパラと金色の紙吹雪が舞って、九郎の股間に降り注ぐ。
まるで喝采を浴びるかのような股間を目にして、リオが苦しそうに呻いて顔を背けた。
☠ ☠ ☠
赤々と輝くマグマのおかげか、火竜山は夜になっても明るい。
しかし闇が無い訳では無く、また頭上からの光が無いと闇が濃くなり影の部分は驚くほど見えなくなる。
「そろそろ見えなくなってきた。この辺りで休憩しようぜ」
「ボクも、もう駄目っぽい」
ただし一行の中で夜目が効かないのは、意外な事に九郎とアルトリアだけだった。
他の5人は種族はバラバラだが、魔族と言うカテゴリーに属しており、暗闇の中でも余り変わらず見えると言う。『
思い出してみればリオと初めて出会った夜、彼女は寸分違わず九郎の首を落とした。アルフォスとベーテに襲撃された時も、彼らは月夜とは言え、暗がりで正確に照準を合わせて来ていた。魔族と言う者たちは、夜を苦にしない者達の総称なのかもしれない。ただ、蝙蝠の翼を持つベーテはともかく、鳥の翼を持つアルフォスが夜目が効く事には、いまいち納得できない部分はある。
逆に伝説のアンデッドと称される『
「今日の食事当番は私ですね。ではアルトリア様、宜しくお願いします」
九郎が適当な横穴に荷物を降ろすと、アルフォスが笊を取り出してアルトリアに跪き、恭しく頭を下げていた。
「そろそろ、その『様』ってのどうにかしてもらいたいんだケド……」
「いえ……。畏れ多い事です。ご勘弁を……」
むずがるような仕草をしながら、アルトリアは袖を捲り上げてゴメを笊に落とす。
アルフォスとベーテはカクランティウス同様、アルトリアにも恭順を示していた。それはアルトリアがゴメを生み出す豊穣の女神に映っていたことと、命を狙ってしまった事への後ろめたさから来るもののようだ。
「クロウにはそんな『様』とか付けて無いじゃーん。どうしてボクとカクさんだけ~?」
アルトリアが不満気に頬を膨らませる。もとは農民だったアルトリアは、持ち上げられるとむず痒く感じる性質だ。リオと出会った時も、畏まるリオをあの手この手で籠絡し、今では『アルト姉』と呼ばせている。
アルトリアの言葉に、九郎はニヤニヤしつつアルフォスを眺める。さんざんぱらからかわれた後だからこその反応だ。
元奴隷達を救う事に奔走したのは、カクランティウスやアルトリアだけでは無い。恩に着せるつもりはないが、その中には九郎も含まれている。
なのにアルフォス達は全く九郎を敬っているようには見えない。
敬われてもこそばゆいだけだが、日頃女性の視線を持って行かれている事もあり、イケメン達の傅く様に溜飲が下げようとしている九郎の笑みに気付いたのか、アルフォスは引くつく頬で九郎を睨む。
「クロウは……部下だった時もありまして……その、何と言うか接し方を変えにくくなってしまったと言うか……」
「こいつは下だった時も敬わなかったし、おあいこでって事で……」
アルトリアに申し訳なさそうにしながら、アルフォスが視線を彷徨わせ、ベーテがそれをフォローしていた。
そんな取り決めはした覚えがないが、気持ちは分かると九郎は納得してしまう。
最初は年下に見えていたアルフォス達も、実は九郎よりもかなり年上だ。年長者に対しては、基本砕けた敬語を使う九郎も、いまさらアルフォス達と敬語で接するのは戸惑いがある。誰に対しても丁寧口調のアルフォスはともかく、ベーテあたりに畏まわれても気持ちが悪いと感じてしまうだろう。年上ぶって話していたのに、いまさら年下としての対応を取れずにいる九郎と同じく、アルフォス達も対応を変える事に何とも言えない気恥ずかしさを覚えている様子だった。
だがさんざんからかわれている九郎は、ニヤニヤしながらベーテに近づく。
奴隷時代、見た目てきには年齢の変わらないベーテには、何かにつけて強めに当たられていた気がする。悪乗りには大いに乗っかり調子付いてしまうのは、シルヴィア達とパーティを組んでいた頃の名残だろうか。
「ベーテちゃぁぁぁん? アルトはこう言ってるよぉ? 呼んでくれてもいいんだよ? ほらクロウ様って、言ってみ?」
九郎は調子に乗った。ベーテはクッと悔しそうな顔をした後、アルトリアに縋るような目を向けた。
「それに……なんつーか、クロウは下っ端臭がして」
「なんだとぅ! おいコラ、ベーテ! もういっぺん言ってみやがれ! 飯少なくするようアルトに言いつけっぞ!? おい、こっち見やがれ!」
九郎は怒った。自分でも人の上に立つキャラでは無い事は薄々感付いていたが、下っ端キャラと言われては聞き流せない。怒りを露わにるす九郎を無視して、ベーテはさめざめ泣き真似をしながらアルトリアに言葉を続ける。
「コレなんです! 言う事がいちいち下っ端過ぎるんス! 雑魚っぽいんす!」
「てめーの口調だって充分雑魚キャラじゃねえかっ! この、出落ち要員!」
「でっ……。あんだと、コラ!? あれは殿下だったからで、お前の方がお笑い要員じゃねえか! この金ピカ変質者!」
「き……!? おもしれえ! 表に出やがれ!」
チンピラっぽい言葉の応酬の果てに、九郎とベーテが外へと向かう。
「お分かりになりましたでしょうか……アルトリア様……」
アルフォスが溜息を吐いてアルトリアに同意を求めていた。九郎の背中で、アルトリアの困ったような溜息を吐いた音が聞こえた。
「あまり騒ぐと無用な魔物を引きつけるぞ? ここは火竜山。ドラゴンの住処だということを忘れてはおらぬか?」
続く呆れた様子のカクランティウスの言葉は、もはやフラグでしかなかったようだ。
「何不用意に近づいてんだよ!」
「ベーテだってテンション上がってたじゃねえか!!」
九郎とベーテが慌てた様子で洞窟内に転がり込み、外で轟雷のような咆哮が響いていた。
☠ ☠ ☠
(でけえぇぇぇ!)
初めて目にした訳では無い。この世界に来て最初、遠くに見えた竜の姿。それが間直にあることに、九郎は眼を瞠って感動していた。ベーテの勢いに釣られて逃げ込んで来ていたが、考えてみれば自分は不死であり、身の危険がある訳では無い。逆に逃げ込んできた方が、他の者達にとっても危険だろうと、注意を引くように再びドラゴンへと近付いて行く。が、連れ去られても面倒な気がして、触るまでには至れない。
ただ、赤く燃えるマグマと同じく、煌々と輝く鱗を持った巨大な生き物に、男心はキュンキュンしていた。
珍しそうに赤い竜を眺め、チッチッと舌を鳴らして注意を引くのは、半分以上が興味本位だ。
リオやフォルテ、アルフォス達は顔を青くしたまま洞窟の奥でガタガタ震えていた。宿にしようとしていた洞窟の中は、広々としているが、入り口は狭い。この巨大な生き物が入り込む余地は無さそうだが、それでも完全なる捕食者の姿に恐怖しているようだ。
怯えていないのは余程の事が無い限り死ぬことの無い『不死者』達ばかり。
「言った傍からこれであるか……」
カクランティウスが頭を抱えて溜息を吐いていた。だがその溜め息には恐れの色は見えず、面倒な事になったが、これも予想の範囲内とでも言うような余裕が見て取れる。
「お肉……食べきれるかなぁ……」
アルトリアも別段大型獣に恐怖は覚えていない様子で、アルフォスが放り出したゴメを集めながら、さてどうしようかと思案中だ。命の脅威にさらされない不死者達はどこまでいっても暢気なものだ。
「おおお、お前等余裕過ぎねえかっ!? そ、そいつ火を吐くんじゃねえのかよ!」
九郎達のいつも通りの様子に対し、リオの大声での突っ込みが入る。外の世界を殆んど知らないリオでも、ドラゴンの脅威は知っている様子だ。
「マジかよ……。まんまファンタジーな生き物なんか、お前……」
逆に九郎はリオの言葉に更にテンションを上げて近付いて行く。今までこの世界で出会った魔物達は、多かれ少なかれその成り立ちに全うな理由が感じられた。生きるための進化とでも言うべき、整合性が見て取れていた。
しかし火を噴くと言うのは何の為かと考えてみても、その理由が分からない。活火山を巣にしているにしても、ドラゴンの口元に並ぶナイフのような牙は肉食獣のそれと同じ。獲物を焼き尽くすような炎を吐いては、意味が無いのではなかろうか。
そんな九郎の疑問に答えるかのように、カクランティウスが薄く笑ってリオに言いやる。
「レッドドラゴンが火を吐くのは、余程追い詰められた時のみ。吾輩達を
「全く安心できる話じゃねえじゃねえかっ!」
至極ごもっともな意見が返ってきていた。
狭い場所に逃げ込まれたと思っているのか、ドラゴンはこちらを睨んでどうしようかと悩んでいる様子。流石に全てがファンタジーのテンプレ通りとも行かないのか、言葉をしゃべることは無いようだ。
「さて……入り口を魔法で閉じてしまっても良いのだが……。暴れられて洞窟を崩される方が面倒だな……」
カクランティウスが顎鬚を撫でながら呟く。例え洞窟を崩されても、土の魔法でリオ達を守る事くらいは容易いと言い放つ彼は、何とも頼もしい。彼からして見れば、目の前の巨大な生き物は脅威では無いのか、アルフォス達の憧憬を一身に浴びている。普段であればそうも思わないのだが、今の九郎には羨ましいと感じてしまう。
つい先程、格好をつけようとして失敗した事を引きずっていることと、ベーテに言われた『雑魚っぽい』のセリフが原因だ。
「じゃあ、俺が行っていいっすか? アルトが出張るとこの辺がゴメだらけになっちまいそうだし」
「え~? クロウ一人で大丈夫? 遠くまでお持ち帰りされたらどうすんのさ~?」
九郎が両拳を打ち鳴らして外へと向かおうとした背中に、アルトリアのにべもないセリフが掛けられた。
つんのめりそうになった九郎に、カクランティウスの更に厳しい言葉がかかる。
「クロウ殿が死ぬとは思えぬが、確かに巣まで持ち帰られると……。やはり吾輩が出た方が早い気がするのだが?」
――完全に持ち帰られることを前提とされている気がする。
確かに九郎の実力はまだまだな部分があるが、これでも冒険者として生活して来た自負もある。
こと魔物に関して遅れを取った事は――沢山あるが最近は無い。
「いざとなったら移って来ますんで、大丈夫ッスよ! アルト
強気の発言をしてアルトリアに耳を切ってもらい、九郎は外へと向かう。保険を用意しておく九郎も、持ち帰りされる可能性は捨てきれていない。だが強くないと分かっていても、強くなる事を諦めた訳では無い九郎は、ドラゴンの出現に
「んじゃぁ、俺らの晩飯になって貰おうかね!」
外へと出た九郎を、真っ赤な鱗のドラゴンは不思議そうに見つめていた。
今迄なら、穴倉に潜り込んだら最後、二度と出て来ない勢いで縮こまっていた小さい生き物が、意気揚々と穴から出てきたことに驚いている様子だ。
(火はすぐには吐かねえって話だったけど、こいつにも炎はあんまり効きそうにねえな……。せっかくレベルアップした『
グルルルと喉の奥から唸り声を漏らすドラゴンを睨み九郎は構えを取る。
硬そうな鱗を見るに、打撃の類も効果は薄そうだ。かと言って毒を使えば、肉も駄目にしてしまうし、近くのリオ達にも影響がありそうで使えない。
「とりあえずセオリー通りに冷気から攻めてみっか! 行くぜ! 『
ゲームではお約束とも言える、炎系の敵に対しての効果的な攻撃方法。最近では冷気のレベルも上がり、砂漠のヤツメウナギも一瞬で凍らせたこともある。それだけで聞くと、全然大したことが無い様に聞こえるのは、もはや仕様と言って良い。
必殺技名を口にして体を『変質』させ始めた九郎に、ドラゴンの光彩が細く狭まり――。
ゴッ!
ボシュッ…………
「…………あれ?」
一瞬にして九郎は地面を見つめていた。倒されたのかと起き上がろうとして、その時初めて腕が無い事に気が付く。どう言う訳だと見上げた先のドラゴンは、先ほどまで見上げていた時より更に巨大に見える。
「って、燃え尽きてんじゃねえか!? 俺!」
そこで九郎はやっと自分が足首を残して蒸発してしまった事に気が付く。
ドラゴンの口元には吐いた炎の残りかすとでも言えそうな、赤いマグマのような涎が地面を焦がしていた。足首に移った視界で後ろを見ると、後方の岩が赤く溶け落ちマグマに変貌しているのが見える。
火口に落ち、マグマに耐えられるだけの耐性を得ていたと言うのに、一瞬で焼き尽くされてしまったドラゴンの炎の威力に、呆気にとられた九郎が慌てて体を再生させる。
「いきなり炎は吐かねえって……カクさんの嘘吐きっ!」
愚痴を吐きつつドラゴンを睨む九郎。いきなり元の姿に戻った九郎を気味悪そうに見るドラゴン。
二つの視線が交差し、数秒の時が流れる。
ゴアアァァァァァア゛ア゛アアアアアアアア!!
轟くような咆哮が鳴り響いた。ドラゴンが大きな翼を振り乱し、突風を巻き起こす。
吹き飛ばされないよう、足を踏ん張る九郎。巨大な体でどうして浮けるのか。ドラゴンの体が宙にフワリト浮き上がる。
「次はどんな手で来やがんだぁ!? おもしれえじゃねえかっ! 『不死身の
何が起こるのかと身構えてた九郎は、途端に慌てて空を仰ぐ。
突風を巻き起こして宙に浮いたドラゴンは、そのまま身を翻して飛び去っていた。負けるつもりは端から無く、次はこっちの番だと息巻いていた九郎にしてみればとんだ拍子抜けもいいところだ。だが、出会い頭にぶん殴られて逃げられただけにも思える。
『
「ちょ、待てよ! せめて尻尾くらいは置いていきやがれ! これじゃあ格好つかねえよ!」
なんとなく理由に思い当たっていたが、なんとも言えない悔しさが込み上げてくる。
これではまるで攻撃を喰らいに外に出てきたようなもの。頭上から糞を落とされたような遣る瀬無い気分になる。
食料には困窮しておらず、リオ達にとっては危険な生物なのだから、追い払っただけで充分なのだろうが……。
「あ、早かったね? お肉は……? ううん、何でも無い! ご飯もう少し待っててねー」
洞窟に戻ってきた九郎に対し、アルトリアは安穏な笑みを浮かべた。
何も言っては来ない彼女の優しさが今は心に痛い。大見得を切って外に飛び出して行ったのに、何の収穫も得られなかった。
「やっぱりクロウはすげえなっ。な、何しょぼくれてんだ。ドラゴン追っ払っちまうなんてそうできるもんじゃねえだろ?」
先程まで険悪なムードだったベーテからの励ましの言葉が胸に刺さる。恐ろしい捕食者を追い払ったのだから胸を張れと言われても、此方の被害は甚大だった。
ジト目で九郎に視線を向けたリオが、他の者達が気遣う部分に遠慮の無い一撃を入れた。
「目を離すと直ぐに脱いで来るんだな……お前……。………………趣味か?」
「ちっげーよっ!!」
早々と
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