第120話 依頼
「何がとは言わんが忘れてもらえると嬉しい……」
「御意に……」
朝食を摂りつつシルヴィアが顔を真っ赤に染めてもごもごと言いやるセリフに、九郎は重々しく頷いた。
巨木をくり抜いた部屋に漬物を噛む音だけが響いている。
朝食はシルヴィアが作った物だ。
豆と芋を煮たものと椰子の若芽を使ったサラダ。そして漬物。
このミラデルフィアの主食は主に豆類と芋類で賄われている。
麦も有るにはあるが、北方よりも高価でパンなどは余り見かけない。
そして九郎も探しているのだが米も栽培されておらず、雑穀や豆、里芋の様な形の芋類が出回っていた。
その代わり肉類は魚も肉も豊富にあるのだが……。
(なんかおかずがねえ様な……いやっ朝のあれがオカズって事で……)
シルヴィアの悲鳴に似た絶叫に飛び起きた九郎が目にしたのは、自分のやらかした行動に頭を抱えて羞恥に悶えるシルヴィアのあられもない姿であった。
思わず「そう言うのは服着てからやってくれっ!!!」と怒鳴ってしまったものの、九郎の頭には朝日に照らされたシルヴィアの裸体がしっかりと保存された。
完全に取り乱したシルヴィアは毛布に潜り込んで隠れたつもりだったのだろうが尻を隠しきれず、それが朝日に輝いて見えたものだ。思わず拝んだのも仕方の無い事だと言える。
何も指摘しない事を約束した九郎に、シルヴィアはやっと落ち着いた様子を見せる。
九郎は、ほうと息を吐いて食事を再開したシルヴィアの裸体を再び思い出し、目を瞑る。
昨晩は部屋も薄暗かったので細部まで見えた訳では無かったのだが、今朝は朝日の明るさの中でシルヴィアの肢体をはっきりと見てしまった。
瞼を閉じればその白い曲線が鮮明に蘇ってくる。
「コルル坊……鼻の下が伸びとるぞ……。忘れるちゅうたばかりじゃろうに……」
「はいっ! ごちそうさまですっ!!」
「まだ喰い終わっちょらんじゃろうが……」
漬物と一緒に思い出を噛みしめていた九郎を、シルヴィアが半眼で眺めていた。
裸を見られてしまったシルヴィアだが、そこまで落ち込んでいる様子は無さそうだ。
普段から肌を露出する服装なのでそこまで気にしていないのか、過ぎた事を悔やまない性格なのか。
昨晩のシルヴィアの寝言を聞き心に傷を負っている事を知ってしまったのだが、今のシルヴィアからはそんな悲壮感は微塵も感じられない。
(やっぱ何か『強い人』って感じだよな……。こう、傷付いてても他人を心配出来る人って……)
苦笑を浮かべるシルヴィアに、昨日の晩よりは穏やかな空気を感じて、九郎も頭を掻きつつ笑顔を向ける。
女性に対して免疫の無い者なら、彼女の世話の焼き加減に自分に気が有るのではと勘違いをしたのだろうが、九郎は何度も女性と付き合った経験がある。
だからシルヴィアが自分を見つめるその瞳に、恋の兆しが見えない事はどことなく分かってしまう。
どちらかと言うとシルヴィアは田舎のお節介な老人の様に、単純に九郎を心配してくれていた様だ。
自分を守る為に「人に迷惑が掛かるから」と自分自身に言い訳をして人から遠ざかっていた九郎には、シルヴィアは眩しく映る。
(どっちかって言うと俺の方が惚れちまいそうだぜ……)
目の前でモギュモギュと頬を膨らませ、豆を食べているシルヴィアの顔を伺い苦笑する。
レイアへの思いは未だに心の奥で燻ってはいたが、そろそろ自分も新しい恋に進んでもいい頃合いなのかも知れない。
相手に恋の兆しが見えないからと言って、想いを伝えた訳でも振られた訳でも無い。
ならばもう一度頑張ってみるか―――
「ったく、その話は本当かよ~?」
「んふふ~。当たってると思うよぉ~? あの子行き当たりばったりだし~」
――そう自身の恋の兆しを感じながら食事を再開し始めた九郎の耳に、部屋の外から数人の男女の声が届く。
途端シルヴィアの動きが止まる。
そしてキョロキョロと視線を彷徨わせ、その後オロオロと不思議な踊りを踊り出す。
「ん? どうしたんスか?」
「誰か来よる! どうしたらええんじゃぁぁ? コルル坊やぁぁぁ……」
いきなり涙目になって小声で言って来たシルヴィアに、九郎が首を傾げる。
「え? だって昨日何も無かったって話したじゃないっスか……」
「あほう! 二日続けて男の家に泊まりに来たなんぞ知れたら、変に勘ぐられるに決まっとるじゃろ!?」
今朝の騒動の後に、九郎はシルヴィアに何も手出ししていないと伝えてある。
何も起こっていないのだから堂々としていれば良いと九郎は答え、シルヴィアは言葉を返す。
「むしろ望む所っす!!」
前に進もうと決めたのだから、噂されるのも悪くは無い。
こう言うのは外堀から埋めて行って、何となく意識してもらえるようにするのも一つの手だ。
「な、何訳の分からん事言っとるんじゃ!? 儂はここに来ちょらん! 分かったな? コルル坊!」
だが九郎の言葉にシルヴィアは更に詰め寄り慌てている。
小声で涙目ながらに強い口調で言ってくるシルヴィアの迫力に押されて、九郎は無言で頷く。
「おーい、クロウ! いるかぁ~?」
「ひぃっ! じゃあ儂は上に隠れちょるから、ええな?」
扉の叩く音に悲鳴を上げてそそくさと梯子を登って行くシルヴィアの後姿を見送りながら、九郎は力の抜けた笑みを浮かべる。
向こうの声が聞こえるならこちらの声を聞こえているのではないかと…。
「うぃ~っす。ちょっと待ってくださいねー!」
シルヴィアの姿が消えたのを確認して九郎は扉を開ける。
そこに居たのは昨日飲み明かしたばかりのガランガルンとファルア、そして偶に素材を買い取ってもらっている店の店員のシャルルの姿があった。
九郎の家を知っている者は限られているのでガランガルンとファルアは予想が付いていたが、見知っていたとは言えシャルルの姿が有る事に九郎は少し驚く。
「朝早くにごめんねぇ~?」
出迎えた九郎にシャルルがニコニコと会釈をする。
シルヴィアと同じ森林族のシャルルは、薄い青色の長い髪を綺麗に結い上げた美少女だ。
森林族は見た目以上に歳上なのを知った今、シャルルを美
森林族の女性は皆容姿が整っているので、街に行くたびに目で追っていた九郎は当然シャルルもよく覚えていた。
「おはようございます。……どうしたんすか?」
突然の美少女? の来訪に驚きつつ後ろの二人を見やると、ガランガルンもファルアも納得いかない表情で中を覗き見ている。
「だから言ったろ?」
「え~? そんな筈ないよ~」
ファルアとシャルルが訳の分からない会話をしながら言い合っている。九郎は弱り顔でガランガルンに視線を向ける。
「何かあったんすか?」
「おお、悪いな……。ちとオババを探してたんだが……。シャルルがお前んちにいるって言ってよぉ……」
疑いの目をシャルルに向けるガランガルンに、引きつった笑みを浮かべる九郎。
「ほら~! 誰か一緒にいた形跡があるじゃ~ん?」
「マジかよ……」
シャルルがテーブルを指さし勝ち誇った笑みを見せる。
(あちゃぁ……)
簡素なテーブルの上には、二人分の食事が先程と同じように並んでいた。
これでは誰かが来ている事は言い逃れが出来ない。
その事実にファルアが口元を抑え、九郎は目元を抑える。
「シ~ル~ヴィ~? いるんでしょ~? 出ておいで~?」
「おぉぉぉい! シルヴィ今度はちゃんと出来たんかぁぁぁ?」
「オババ~!! 腰痛は治ったんかぁぁぁぁあ?」
口々に大声を上げるシャルル達に九郎は天を仰ぐ。
シャルルの様子からシルヴィアがここにいる事を確信しているように見える。
(まあ、寝室まで覗く事はしねえだろうし、とりあえず何とか誤魔化すか……。てかシルヴィまた担がれてんじゃねえだろうな……)
チラリと見ると、シャルルだけでは無くファルアやガランガルンも何処か笑いを噛み殺している様にも見える。
やることなす事に面白い反応を見せるシルヴィアを、からかっているいる様にも見えてしまう。
だがシルヴィアも何度も笑われるのは可哀想だ。何とか煙に巻いてお帰り願おうと九郎が口を開き、
「そんな美少女はここにはおらんぞぉぉぉぉぉおおお!!!」
2階から降って来た声にシャルル達が吹き出し、九郎は遠くを見つめた。
☠ ☠ ☠
「で? なんの用じゃ?」
不貞腐れてそっぽ向いた状態でシルヴィアが言った。
ひとしきりファルアとガランガルンにいじられ、シャルルに意味ありげな視線を向けられた後の事だ。
その横には落ち込んだ様子の九郎が座っている。
速攻で自爆したシルヴィアは昨晩の事も赤子の手を捻るように、シャルル達の手のひらで踊らされるように暴露した。
見栄を張って嘘を吐けば見破られ、真実を嘘のように語れば流されオタつくシルヴィアに九郎も最初は「なんだこの面白い生き物は……」と笑みを噛み殺したのだが、最後に九郎がシルヴィアに手を出さなかった事が知られると、九郎も彼女達の尋問に晒される事となる。
ファルアが九郎に「可哀想に……」と憐みの視線を向け肩を叩き、ガランガルンはシルヴィアに「そらその胸じゃなぁ……」と鼻で笑って顔に椅子をめり込ませた。
察するにファルアは九郎が不能なのだと考え、ガランガルンはシルヴィアの薄い躰では男は欲情しないと笑ったのだろう。
「シ、シルヴィは魅力的な女性っすよ! 可愛いし……優しいし……」
「コルル坊やぁぁぁぁぁぁあああ」
九郎の言葉にシルヴィアが感極まったように抱きついてくる。
自分が今不能なのは事実だからと諦めつつ、シルヴィアの名誉を守ろうと口にした九郎の言葉も、わざとらしい程のシルヴィアの行動に台無しにされてしまう。
シルヴィア本人は九郎の言葉が純粋に嬉しかったようだが、感情的でコミカルな彼女の行動は何処か滑稽さを伴い空気を弛緩させてしまう。
「成程、彼らもこれが見たいが為にシルヴィアをからかっているのか」と納得してしまいそうになる。
「ま、シルヴィで遊ぶのもこれくらいにして……」
ひとしきりシルヴィアのコメディを堪能した様子のファルアが、話を変える。
「だから何じゃと
「おちつけオババ。仕事の話だ」
「オババゆうな! ガラン坊はちっともこりんやつじゃ……ん? 仕事?」
座っていた椅子を再び抱え上げてシャーと威嚇したシルヴィアの動きが止まる。
(あ、でも投げるんだ……)
キョトンとした表情のままガランガルンに椅子を投げつけたシルヴィアは、顔面を抑えて蹲ったガランガルンの代わりにファルアに視線を移す。
「仕事の話って言っても、どっちかって言うとここのシャルルの依頼って感じでよぉ……」
視線に話を促されたファルアが、ガランガルンを横目に笑いながら言葉を引き継ぐ。
「シャルルが儂に依頼とな? 同郷のよしみじゃし、出来る事なら何でも言うたらええが……」
シャルルにそう言いながらもシルヴィアは腑に落ちない様子で、首を傾げる。
指名までして頼られるのは嬉しい限りだが、昨日話した時には何も言ってこなかった。
急な依頼ならもう少し切羽詰まってても良い筈だが、シャルルはいつもの様にふんわりとした笑みを湛えているだけだ。
態々九郎の家まで調べて探しに来たという事や、ファルアとガランガルンを伴ってここへ乗り込んできたにしては、それ程急いでいる様には見えない。
「シルヴィ~。あのね~、私里に帰らなきゃならなくなったの~」
「ん? また急な話じゃが……。じゃが別に帰るのに儂が必要ではないじゃろ?」
「それがね~?」
ニコニコと笑みを浮かべながら話し始めたシャルルに、シルヴィアが怪訝そうに言いやる。
100年故郷に帰っていないと言っていたシルヴィアは、あまり戻りたくないのか少々怖気付いた表情を浮かべている。
それを気にせずシャルルが話す内容は、次第にシルヴィアの眉に皺を刻む事になって行く。
シャルルの話はこうだった。
シャルルやシルヴィアの故郷は、大森林の中央近くに位置する森林族の集落の一つだと言う。
足を踏み入れれば帰って来られないと言われている『水の魔境』のさらに奥。
ミラデルフィアの冒険者とは言え、大森林の奥まで踏み入る者はそうはいない。
明確な境界が有る訳では無いが、冒険者達は大森林の端の方で魔物や素材を集めて生活している者が殆んどだ。
だが、それではシャルルやシルヴィアはどうやってその大森林の奥から外へと出てきたのだろう、と言う疑問が出てくる。
そこには森林族の秘密の通路の様な物が関係していたようだ。
人族よりも神々の眷属との親和性に優れた森林族に見える、道筋の様な物があったらしい。
それを辿れば森林族は安全に大森林を抜ける事が出来るのだと言う。
「『精霊の道』が無くなったじゃと!?!」
話を聞いていたシルヴィアがテーブルを叩きながら声を上げる。
男三人はキョトンとした顔をしているが、シルヴィアの表情からは驚きと焦りの色が見え、彼女達にとってはのっぴきならない事態が起こっている様子だ。
「なんかね~? 三年前の大洪水から色々と綻びが出てたんだけど~、最近ついに千切れちゃったみたいで……」
「あの『青瓢箪』の奴めがっ!! 死んでからも碌な事しよらんの……」
シルヴィアが忌々しげに呟き、九郎がその言葉に渋面する。
話の内容を鑑みるに、どうも雄一が仕出かした悪事が尾を引いているようだ。
憎き敵ではあったが、同じ日本人が他国の人々に迷惑をかけている事を知らされると、どうにも申し訳なさが込み上げてくる。
「それでシャルルを護衛して実家まで送り届けんのが、俺らの仕事って訳だ」
「ふむ……仕方ないのぅ……。……………………………俺ら?」
シャルルの説明が一段落したところで、ファルアがニヤリと親指を立てる。
一度納得の表情を浮かべたシルヴィアは、再び怪訝そうにシャルルを見る。
「だって『精霊の道』無しで里まで行くのは危険じゃな~い? 腕の立つ冒険者は必要よ~?」
「確かにそうじゃが……こやつらとか……」
「そ・れ・に~……」
シャルルがにこやかに両手を広げてファルアとガランガルンを交互に見やる。
シルヴィアはその言葉に苦虫を噛み潰した表情を浮かべる。
確かに大森林の奥へと普通の手段で向かうとすれば、手練れの冒険者で無いと難しい。
その点ファルアもガランガルンもある程度名の知れた冒険者であり、ソロで活動して来た事も有りその実力を疑うつもりは無い。
自分に話を持って来た時点で、シャルルはシルヴィア一人では荷が勝ちすぎていると分析していたのだろう。
シルヴィアも一人で大森林奥深くまで踏み入る危険性は理解している。
だが事ある毎にからかいの種にしてくる彼らと仲良く旅が出来るのかと言うと、話は別だ。
気兼ねない関係と言ってしまえばそれまでなのだが、大概やり込められてしまうシルヴィアにはあまり面白いものでも無い。
そんな口にできない不満を表したシルヴィアに、シャルルはクフフと怪しげな笑みを溢す。
「クロウ君にもお願いしようと思ってたんだけど~……」
「へ? 俺っスか?」
それまで大人しく話を聞いているだけだった九郎に突然話が降られて、九郎は驚いて立ち上がる。
「そうなの~。クロウ君もソロで有名な冒険者じゃな~い? お願いできないかな~……って」
「良いッスよ?」
「コルル坊はまだ冒険者になってから半年しか経っとらんじゃろう!?」
シャルルの提案に九郎が何も考えていない様子で頷き、シルヴィアが信じられないと目を瞠る。
シルヴィアやガランガルンだけでなく、25、6のファルアでも大森林を縄張りにする冒険者の中ではベテランの部類に入る。歳は若くても命を落とすことなく10年以上もの間大森林に潜り続けてきたのだ。
しかも
だが、同じソロの冒険者と言えど九郎はまだ半年の実績しか持たない。
持ち込む素材からある程度の実力はあるとは思えるが、半年程度の経験では単に運が良いだけかもしれない。
そう思い声を上げたシルヴィアにシャルルが困り顔で首を傾げる。
「でもシルヴィ達じゃ『スライム』は倒せないでしょ~?」
「ぐむむ……」
シャルルの言葉にシルヴィアは言葉を詰まらせる。
大森林の奥に行けば行くほど、潜む魔物の脅威は増加する。
この辺りではそこまで大型のスライムは滅多に見ないが、人の手が入らない奥に行けば行くほど巨大化した『スライム』が潜んでいる可能性が高くなる。
そしてその『スライム』を倒す手段をシルヴィアはもとより、ファルアもガランガルンも持ってはいない。
熟練のソロ冒険者三人は、炎による攻撃手段を持っていなかった。
シルヴィアはシャルルの顔を見て逡巡する。
森林族の里へと戻るには、シルヴィアが付いて行かなければ始まらないだろう。
冒険者としてのキャリアがあり、里の場所を知っているシルヴィアにしかその依頼はこなせないのは分かる。
同時に自分一人では、大森林を抜けるには荷が重すぎる事も理解している。ファルアやガランガルンも、自分をからかう事を除けばその手を借りる事に疑問は無い。
そして残念な事に、ベテラン冒険者と言えど三人に『スライム』を倒す手立てが無い。
だが大森林の奥に潜む危険は『スライム』だけでは無いのだ。
半年やそこらの新人にそんな危険を冒させて良いのだろうかと、暢気そうに漬物を齧り始めた九郎に視線を向ける。
「心配ならシルヴィが教えてあげればいいじゃない? シルヴィも最初はそうだったでしょ~?」
シルヴィアの心配に気が付いたのか、シャルルがそう言って手を打ち鳴らす。
全てをこなせる冒険者は少ない。冒険者は通常出来る事を分担して仕事をしているのだ。
ソロになってからもう長いが、シルヴィアも最初は仲間と一緒に仕事をしていた。
シャルルはそう言ってシルヴィアを促す。
「まあ、仕方無いの……」
若者を導くのが先達の務めと昨日九郎にも言った言葉が、シルヴィアの背中を押した気がした。
まだ九郎の実力を見た訳では無いのに、頭から反対するのは自分らしく無い。
頼りなさげな風貌だが、九郎もソロで半年頑張って来たのだろうから。
足りない所を補ってやれば良いと、部屋を見渡す。
シルヴィアは肩を竦めて溜息と共に了承の意を吐き出した。
浮かべた笑みには少しだけ寂寞の思いが混じっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます