第057話  好意


「こっちは片付けたわ! クロウ達は下がってて!」

「こっちは片付けた! 俺に任せてベル達は後ろに!」


 両者が交差する間際、同時に二人が走って来る者達に声を掛ける。

 お互いが向かって来る者達が逃げてきているのだと思っていた。


「え?」「え?」


 九郎とベルフラムは蹈鞴たたらを踏むようにお互いの言葉につんのめる。

 九郎の目の前には炎の槍に両側から貫かれ、炎の大刀で両断された『ソードベア』の姿が。ベルフラムの目の前には雪原にうつ伏せに倒れ込み、今なお赤い血潮を広げている『ソードベア』の姿が映し出される。


「さすがレイアだな……あんなデカい奴を一刀両断するなんて……」

「クラヴィス! すごいじゃない! 仕留められるとは思って無かったわ!」


 感心したようにレイアとクラヴィスを褒める九郎とベルフラムに、褒められた面々がいたたまれない素振りを見せる。


「いえ……私は……」


 私一人では勝てはしなかった――いや……私では敵わなかった――九郎の言葉に消え入りそうな声で、レイアが否定しようとする。


「クロウ様はすごかったです! 私が倒したんじゃないんです!」

「クロウしゃま、ヴァ~ンってしてグワ~ンてしてぶわあああってしたら白いのがバタ~んって!!」


 ベルフラムの言葉にクラヴィスとデンテが興奮した様子で、戦いの結末を説明し始める。


「……本当?」「本気マジかよ……」


 お互い顔を見合わせ信じられないと、大げさな素振りで肩を竦める九郎とベルフラム。


 九郎にとってベルフラムは、野盗に誘拐されていた時も、『大地喰いランドスウォーム』に襲われた時も、屋敷に帰ってからも泣いてばかりの幼い少女。

 ベルフラムにとっての九郎は、いくら九郎が『来訪者』だと知っていても、『弾丸兎バレットラビット』にすら手こずる彼しか見ていない。

 毎日レイアと稽古している所を見ていても、全く敵わない様子に、九郎の戦闘能力は低いと考えていた。それよりは、騎士団長として働いていた経験のあるクラインに不意打ちと言えど、一撃を入れたクラヴィスの方が戦闘力が高いと思っていたのだ。


 お互いの顔を見合わせ、クラヴィスとレイアに確認を取るかのように視線を向ける九郎とベルフラムに、レイアとクラヴィスは神妙に頷く。


「さっすがベル! 知ってたぜ! おえが強いって事くらい……わはははははは……」

「なんたってクロウは私の『英雄』だもの……信用してたんだから!」


 今まで互いの戦闘力を低く見積もっていた事を誤魔化しながら、二人がお互いの健闘を称えはじめる。

 レイアは九郎の「さっき弱っちいって言ってたじゃねえか……」との突っ込みを聞きながら、一人驚愕の表情で九郎を見つめる。


 レイアは九郎を、騎士見習いの少年よりも弱いと感じていた。

 だから、自分一人では敵わなかったであろう『ソードベア』を九郎が屠った事に驚きを隠せない。

 興奮した様子で九郎の戦闘の様子を語るクラヴィスとデンテの声が、遠く頭上から響いて来る様で現実感が無い。

 巨体を横たえてピクリともしない『ソードベア』と九郎の背中を見比べながら、右手に握った剣の柄を見下ろす。


(せめてクロウ様の様にベルフラム様から信頼を得る事が出来るように……)


 弱いと思っていた九郎が実力者だった事に僅かな嫉妬を覚えながら、レイアは剣を鞘にしまう。


「レイアさん……またクロウ様に嫉妬してるでしょう……?」


 ハッと顔を上げるとクラヴィスが腰に手をあてため息を吐いている。

 自分の心情を見破られ、焦ったように手を振るレイアに、クラヴィスが微笑む。


「レイアさん、いっつも言ってますもんね? ベルフラム様をお守りするんだーって……。私達だってベルフラム様の凄さも強さも分かってますです。レイアさんはベルフラム様をとても信頼しているのは知ってるです。そんなベルフラム様がクロウ様の事『英雄』って言ってるんですから、クロウ様はきっと本当に凄い方なんだって……私達がベルフラム様の言葉を信じない方がおかしいですよ?」


 子供を諭すような物言いのクラヴィスの言葉が、レイアの胸にストンと落ちて来る。クラヴィスの言う通りだとレイアは思った。あれだけベルフラムが一生懸命に周囲に語る九郎の姿は、ベルフラムが本気で九郎を『英雄』だと思っているからではないか――。先程九郎を弱いと言っていたベルフラムだが、弱いと思っていても九郎の事を『私の英雄』と言って憚らない。それ程の信用を九郎が得ている理由があったのだろう。弱いと思われていても信用は得ていた九郎を、レイアは羨むばかりで理由を知ろうとはしていなかった。


「そうでしたね……私は本当に駄目ですね……何度も同じ失敗を繰り返してしまう……」


 ため息を吐き、目尻を下げて泣きそうな顔のレイアに、クラヴィスが慌てた様子で言葉を続ける。


「今度はまだ失敗してないじゃないですかっ! また失敗しないようにすれば良いんですよ。私思うんですけど、レイアさんにはクロウ様への好きの気持ちが足りないんです」

「好き……ですか……?」


 思ってもいなかったクラヴィスの言葉にレイアが目を瞬かせる。

 そして同時に九郎より先に――まず第一にベルフラムの事を信頼していても好意を抱いていたのだろうかと自問する。

 レイアが掲げていた『ベルフラムの騎士』と言う目標の為に――自分が成りたかった自分の為に、ベルフラムの傍にいたのではないかと、自責の念が込み上げてくる。

 もちろんベルフラムが嫌いな訳では無いが、どちらかと言うと「守らなければ」との気持ちが先行してしまっていて好意を向ける対象としては見ていなかった。


「はい! 私はベルフラム様もクロウ様も大好きです! ベルフラム様は私達姉妹を助けてくれて、大事にしてくれます。お料理だってできるし文字も読めるし書けます! とても賢い人だと思います! 魔法だって使える凄い人です。なによりとっても優しいのです! 私はベルフラム様の事が大好きで尊敬してます。

 クロウ様もです! クロウ様もとっても優しいんです! いつも撫でてくれますし、お風呂を沸かしてくれます。ベルフラム様の主だって言うのにいっぱいいっぱい働き者です。いつもポカポカ温かいです。私はクロウ様も大好きで尊敬してます」


 本人達が聞いたら悶絶しそうな称賛を、臆面もなく語るクラヴィス。

 何故か誇らしげに胸を張るクラヴィスの姿に、微笑ましさと羨ましさを感じ、レイアは苦笑を溢す。


「デンテもデンテも~」


 となりでデンテが諸手を上げて同意していた。

 この姉妹を家臣にした経緯は屋敷に入った当初に聞き及んでいたが、これ程この姉妹がベルフラムと九郎に傾倒していたとは思ってもいなかった。

 クラインに刃を向けられても怯まなかった彼女たちは、あの時から既にベルフラムの事を大事に思っていたのは知っていたが、先程九郎を守りに向かった時も躊躇する素振りを見せなかった事を考えると、この少女たちは九郎を守る為でも体を張る事に何の躊躇いも無いのだろう。

 命を助けられたから……生活を向上させてくれたから……そんな単純な行為からこれほど命を賭けれるものなのだろうかと思いながらも、姉妹達の目は疑いなく二人を尊敬し信頼しているように見て取れる。

 先程レイアは、口先だけでは自分が一番『ベルフラムの家臣』、『ベルフラムの騎士』と自称しているのに好意について考えたことが無かったと自認した。

 レイアがベルフラムの騎士を目指し、人生の指針として掲げた経緯は、クラヴィスに吐露した事もあるように『自分の中での目標』、『半生を賭けた故の諦めきれない感情』と言った自分の想いが主な感情だ。

 だが、クラヴィスとデンテの言葉はベルフラムと九郎を守りたいと言う純粋な感情で行動している事を告げている。

 多分クラヴィスとデンテは、例えベルフラムが彼女たちを『家臣』と定めていなくても、彼女の為に身を呈するだろう。

 その純粋な敬意と献身がレイアには眩しく感じられ、その立ち姿がレイアの憧れた物語の騎士に重なり自然と佇まいを正す。


「……努力してみます」


 ぎこちなく笑うレイアに微笑みながらクラヴィスはレイアの手を取る。


「クロウ様は凄い人ですからきっとレイアさんも好きになりますよ」


 先程上げていた九郎を好きになった理由が余りに子供っぽくて、即答できかねているレイアを、気にする事無くクラヴィスは次々と九郎の長所を語り出す。


「クラヴィスさん怪我してるじゃないですか。」


 肩車してくれるとか、大目にお肉をよそってくれるとか、子供っぽい理由を上げていくクラヴィスの腕に傷を見つけレイアが慌てた様子で言葉を遮る。


「こんな傷、へっちゃらです! 舐めてたら治りますです。それよりレイアさんの方が沢山怪我してるじゃないですか?」

「そうだ! クラヴィス怪我してたよな!! スマン、庇ってもらったてのに……ちょっと俺布取って来る!」

「レイアも攻撃受けたでしょう!? クロウ、布沢山持ってきて!!」


 どの様に敵を倒したかを語るベルフラムの話を聞かされていた九郎が、ハッと顔を上げて荷車に走って行く。

 ベルフラムは急におろおろしだして、泣きそうな顔になっている。


 突如慌てだした自分の主達を見て、レイアは少し肩を竦めクラヴィスと目線を合わすと困ったものだと微笑し片目を瞑る。


「――『流れ廻る青』ベイアの眷属にして命を繋ぐ生命の水よ、クラヴィスに癒しを!『サーナーティオ』」


 短く紡がれたレイアの言葉と共に、クラヴィスの腕に青い粒子が纏わりつき、瞬く間に傷を癒していく。

 レイアは驚き目を見張っているクラヴィスにもう一度微笑むと、同じ魔法を唱え手早く自身の傷を癒す。


「レイアさんも凄かったんですね! 私尊敬しますです!」


 キラキラとした目を向けるクラヴィスに、子供故の単純さに苦笑しながらレイアは自分の胸に手をあて恭しく礼を取る。


「私もクラヴィスさんやデンテさんを尊敬しています。尊敬するクラヴィスさんの助言、しかと心に留め頑張って行こうと思います。私達が頑張って主を守って行きましょう」


 顔を上げ片目を瞑って微笑むレイアに、一瞬呆けてキョトンとしたクラヴィスは、笑顔で答えた。


 荷車に積んでいた布をありったけ抱えた九郎の姿と、傷を消毒しようと考えたのだろうか、鍋を抱えたベルフラムの姿がレイアの視界に映っていた。


☠ ☠ ☠


「しっかし……湯沸かし用の魔法じゃ無かったんだな……」


 レイアとクラヴィスの怪我が癒された事に安堵した九郎は、未だ炎の槍に縫い付けられて黒い煙を立てている『ソードベア』を見上げて呟く。

 赤く焼けた鉄の様な輝きを放っている二本の槍が、冬空の空気すら温めているようだ。

 足元には同じく赤く煌めく大刀が地面に突き刺さっている。


 傷を癒した一行は、さっそく手に入った『ソードベア』おにくを解体しようとしていた。


「どう? 私も結構やるでしょ?」


 隣でベルフラムが小さな胸を張って自慢気にしている。

 九郎自身が手も足も出なかったクラインを制した魔法なのだと、先程レイアから説明を受けていたが、九郎にとってベルフラムの魔法を初めて見たのは『灯り』の魔法だし、その次に見たこの『輝く炎の剣』は湯沸かしの時に見た所為で、今までベルフラムが戦えるとは思っていなかったのだ。


 レイアの癒しの魔法も見たが、やはり魔法と言うのは凄い物だと感心する。

 ベルフラムから九郎には魔力が無い事を知らされていなければ、九郎は『英雄』になる為に魔法に望みを託し研鑽していただろうと思う程、魔法の威力や便利さに憧れを抱く。


(ちくしょう……魔法のある世界に来て魔力ゼロって何なんだよぅ……俺も小説の主人公みたいに『魔法』を選んでたら……俺TUEEEでもっと楽に『英雄』になれたんだろうなぁ……。そりゃぁ、最近この『変質者』の力も便利だなぁって思って来てはいたけどよお……)


 騎士であるレイアも魔法を使って戦っているのだ。

先入観から魔法使いイコール老人と考えてしまった過去の自分に物申したい。

 魔法は九郎が考えていたよりずっと威力が高く、汎用性があり、なにより格好良かった。

 例え剣士を目指すにしてもナイフを振るっているより、炎の剣を振るっている方が格好いいと九郎は炎に『変質』させた自分の手を見る。


「こうやって戦った方が見栄え良いしよぉ……」

「!! ちょっ! ちょっとクロウ! 何馬鹿な事しようとしてるの!? 止めなさいっ! 危ないわっ!」


 九郎はおもむろに地面に突き刺さっている赤く輝く魔法の大刀を持ち上げる。

 九郎の行動にベルフラムが慌てた様子で制止するが間に合わない。


「嘘……でしょ……?」

「何が?」


 持ち上げられら大刀と九郎の顔を、ベルフラムは信じられない物を見たかのように驚き声を上げる。


「この剣は炎の魔力の塊なのよ? 例え刃でない部分だって触れれば灼熱の業火と同じなのよ?……その……熱くないの……?」

「これから『火刑』を受けに行く予定の俺が炎でどうにかなる訳ねえじゃねえか」


 恐る恐る尋ねてくるベルフラムに九郎が笑って見せる。

 何とも無いと笑う九郎の首筋に汗が流れる。

 強がりである。炎の剣は九郎が思ったよりもずっと―――熱かった。

 引きつり気味の笑顔で隠しながらも、九郎の鼻には自分の身が焼ける焦げた匂いが漂っている。

 炎の剣の柄を握った九郎の手のひらは焼けた鉄を握りしめたかのように、皮膚が張り付き一瞬で炭化を始めていた。

 手のひらが焼け爛れ、熱が腕まで上がっている。骨の髄まで焼き尽くすような熱に脂汗を滴らせて、必死に笑顔で誤魔化す九郎をベルフラムが訝しげに見ている。


 しかしそれほど間もなく、自分の体が剣の熱に慣れて・・・来るのが分かり、九郎はホッと安堵の吐息を吐き出す。


「炎がどうかってのも有るんだけれど……魔法を持つ事も普通出来ないし誰もやろうとしないのよ? 時々非常識よね……クロウの『神の力ギフト』って……」


 炎の剣を振って見せる九郎に、ベルフラムは半眼で嘆息していた。


「今度からこれ・・で戦おうかねっと……。ナイフじゃやっぱり攻撃力が頼りないし……でもクラヴィスは包丁でこいつに傷付けてたんだよなぁ。クラヴィスに渡しちまうか?」

「ダメよ! このナイフは私がクロウにあげたものだもの。淑女レディーから送られた物を他の女の子にあげるなんてデリカシーが無さすぎよ?」


 炎の剣で『ソードベア』を解体し始めた九郎に、ベルフラムが慌てた様子を見せる。

 ベルフラムがクラヴィスの事を他人と思っているようには思えないが、確かに貰った物を別の人にあげるのはデリカシーに欠けると九郎も思い、「冗談だ」と慌てて否定すた。

「クラヴィスとデンテには私から何か送るわ」と言ったベルフラムの言葉に、九郎も屋敷の皆に何か送ろうかと考えながら、解体を進めていく。


『ソードベア』は思ったよりも肉の部分が少ないようだ。

 長い毛並みと分厚い脂肪に包まれた筋肉を切り出して行く。

 ベルフラムは肉の部分が少ない事に少し落胆した様子だが、九郎が毛足の長い毛皮を取り出し


「これ、暖かそうじゃね?」


 と聞くと機嫌を直したようだ。

 生きている時は針の様だった『ソードベア』の体毛は、死んでしまえば柔らかな毛並みに戻っている。

 毛足が長くふんわりした質感を気に入った様子のベルフラムは嬉しそうに毛皮に顔を埋めている。


「こちらは粗方終わりましたから、私達は先にもう一匹を解体しはじめますね。」


 レイアが切り出された肉を荷車に積み、クラヴィスらを伴って九郎が倒した『ソードベア』の方へと向かう。


「そうね、もうすぐこっちも終わりそうだから先に内臓抜いておいてちょうだい。レイアもそろそろ解体に慣れて貰わないとね?」

「が……頑張ります……」


 悪戯っぽく微笑むベルフラムに、顔を赤くしてレイアは返事を返す。

 レイアは未だ動物の解体を苦手としているようだった。血や内臓自体は平気だと言っていたが、初めて解体したのが蛙だった所為なのか、それとも料理自体が苦手でそれに伴う行為の為なのかは分からない。


「クラヴィスさんに教えてもらいます」


 耳まで赤くしたレイアを見送り、ベルフラムは作業に戻る。

 大方切り出された肉を積み終わり、九郎は落ちた内臓を掻き集める。

 何でも残すことなく食そうと心がけている九郎達は内臓とて食べ物だ。

 例え蛙や鼠であろうとも食べれそうな部分は食べる。

 レバーや心臓を切り分けながら唾を飲み込むベルフラムに、九郎は様相を崩す。


「肉はしばらくは腐らないでしょうから、今日はこれかしら?」

「毒は無さそうだし今日は豪勢な鍋と行くか!」


 炎の剣で解体したためか、香ばしい匂いが立ち込めている。

 毒見がてらに焼けた部分を齧ると九郎は親指を立てて食べられることをベルフラムに報告する。


「楽しみだわ」


 ベルフラムはその提案に笑顔を浮かべた。


「んじゃ、こっちは此れで終わりっと……。レイア達の方に行くか」


 肉や毛皮、内臓を運び終えた九郎がもう一体の『ソードベア』の方に顔を向ける と、レイアが『ソードベア』の腹におっかなびっくりに剣を突き立てているのが見える。

 横でクラヴィスとデンテが刃筋を指導している様子に、ベルフラムと顔を見合わせ頬を緩ませる。

 17歳の少女が10に満たない少女に指導してもらっている様子がなんだかとても微笑ましい。


「さ、笑って無いで俺らも手伝いに行かねえとな」

「でもレイアもクラヴィス達と仲良くなって来たみたいで良かったわ。あの子ちょっと私達の中に入って来ずらそうだったもの。ちょっと心配してたのよね」


 ベルフラムが九郎の手を取り、大人びた事を言って目を細める。

 子供っぽい仕草と、周りを良く見ている大人びたセリフに呆気に取られている九郎の手を引きながら、ベルフラムは楽しそうだ。

 先程危険にさらされていた少女とは思えない胆の座り様に、九郎は改めてベルフラムの逞しさを見た気がした。


「ほら~レイアっ。もっと刃を寝かさなきゃ内臓傷つけて臭くなっちゃうわよ~」

「こ、こうですかぁ……」


 ベルフラムの激に四苦八苦の様子でレイアが『ソードベア』の腹を割く。


  ヴヴヴヴワワワンンンンンンンンンンンンンンン!!!!!!!


 空気を振動させる耳障りな音が周囲に響き渡った。


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