after14 こ、この人が世に聞く白雪先輩⁉︎

 季節は巡り、冬の寒さは少しだけ和らいで。桜の花は未だ満開には程遠いくせに、時間は無情にも過ぎ去り、新しい春がやって来た。

 小梅も紅葉さんも、二人とも受験に無事勝利。小梅は私達の高校に、紅葉さんも第一志望の大学に。

 めでたいことだ。二人の受験合格と卒業祝いのパーティーを智樹の家で執り行ったのは、もう数週間も前。

 私は気がつけば三年生になっていて、新しい一年生、小梅達が入学して来た。

 これもまた、同じくめでたいことなのだけど。


「由々しき事態だよ」


 生徒会室で向かい合った灰砂理世は、真剣な顔して妙なことを口走っていた。


「折角新入生が入ったってのに、随分物騒なことを言い出すのね。義務教育を終えたばかりの前途ある若者達が、せっかく高校と言う組織の隷属下に置かれて我々生徒会の奴隷も増えたんだから。もっと歓迎ムードを出しなさいよ」

「物騒なのは副会長の方ですよ」


 失礼な後輩だ。私のどこが物騒だと言うのか。因みに、今の言葉に(*ただし小梅は除く)が追記される。

 しかし、彼女がこんな悲壮な表情を浮かべているのなんて、私はあまり見たことがない。夏休み明けに私を打った時か、もしくは生徒会の会費を確認している時か、はたまた自分の財布の中身を確認している時くらい。いえ、思い返せば結構あるわね。後ろ二つのお金関係。

 まあ、なんにせよ。いつもは笑顔を浮かべているし、私もなんだかんだと彼女の明るさや快活さを気に入っていたと言うのに、そんなシンデレラ様がこの表情。余程のことがあったに違いない。


「白雪さん、今新入生の間でなにが話題になってるか知ってる?」

「さあ、毛ほども興味ないわね」


 三年生と一年生では、交流が少ないのが自然だ。それがまだ四月ともなれば尚更。新入生は所属する部活動すら決めあぐねているだろうこの期間。元より周囲との交流が少ない私が、知るはずもない。


「まあ、元々ぼっちの白雪姫様が知ってるとは思ってなかったけど」

「下賤で矮小な薄汚い灰被り姫なら下々の者達の噂話も知ってるということかしら? なら高貴で孤高な私にも説明してもらえる?」


 最早慣れた軽いジャブを打ち合えば、傍からは、相変わらず怖え、なんて後輩の声が聞こえる。

 それを無視して、向かいの会計に視線で先を促せば、本当に見たことないくらいの真剣な表情に。生徒会の仕事も、それくらい本気の顔でやってくれればいいんだけど。


「新入生の、特に女子の間で、なんだけどね。なんでも、生徒会長がイケメンで話題らしいんだよ」


 常よりも少し低い声で放たれた、その言葉。

 私は姿勢を正し、両肘を机についていわゆるゲンドウポーズになり、重々しくも口を開いた。


「……由々しき事態ね」

「でしょっ⁉︎」


 ええ。本当に。由々しき事態よこれは。

 早急に対処を考えなければいけないほどに。

 この場に件の生徒会長がいれば、一年生には極力近づくなと釘を刺せるものの、生憎ながら今日は文芸部の方に行っている。今週は新入生達の部活動見学期間だから、三枝の手伝いをしに行ってるのだ。


「あんなクール気どりのキザな優男如きが、イケメンなんて評価されるとは思ってもいなかったわ……」

「だよねー。一年生から見たら、あの軽薄ナンパ野郎がイケメンに見えるらしいよ」

「二人とも、会長がいないからって言いたい放題ですね……」


 事実なのだから仕方ない。

 けれど、新入生と生徒会長である智樹の接点なんて、入学式の挨拶くらいのものだろうけど。まさかその一回で前途ある新入生のハートを掴んでしまうとは。


「これ以上、智樹の毒牙にかかる新入生を増やさないようにしないといけないわね……」

「そう、その通りなんだよ!」


 なにも、これ以上智樹にまとわりつく虫が増えたら厄介だとか、そんな事を思ってるわけではない。ええ、決してそのようなことでは。

 ただ、女子なら誰彼構わず口説こうとするあのバカな男の被害を、少しでも減らそうと思っただけだ。

 新入生の彼ら彼女らは、どうせこれから先、バカみたいな青春を繰り広げるんだろうから、その可能性を食い潰すような真似は最上級生として見過ごせないだけ。


「けれど、具体的にどのような対処法をとるかよね」

「新入生の方に介入するのは、さすがに気がひけるもんねー」

「智樹の方を、ちょっとした事情で暫く学校休みにするとか?」

「どう言う理由で?」

「結婚式の準備がありますとかどう?」

「ダメに決まってるでしょバカじゃないの?」


 真顔で心底不思議そうに返されると、ちょっといたたまれなくなる。智樹が先日ようやく十八歳になったから、法律的には問題ないのに。


「そもそも、結婚式なんてそんなお金のかかること、学生のうちに出来るわけないじゃん」

「そっちの心配なのね……」


 ある意味相変わらずで安心すらしてしまう始末。さすが、その守銭奴っぷりを買われて会計に収まっただけはある。

 さてはて、ではどのような策を講じようかと考えていると、ただ一人真面目に仕事をしている後輩から、声が上がった。


「て言うか、ここで話し合うくらいなら文芸部行けばいいんじゃないですか? 今日から部活見学なんだし、新入生殺到してると思いますよ」


 勢いよく立ち上がり、迅速に生徒会室を後にする。目指すは第三校舎、文芸部部室。

 灰被り一人でも面倒なのに、これ以上智樹にまとわりつく虫を増やして堪るものかっ!


「えー、二人とも行っちゃうの……? 俺一人で留守番かよ……」







 ダッシュで辿り着いた文芸部部室。切れた息を整えることすらせず開いた扉の先に広がっていたのは、可愛い後輩の忠告通りな光景で。


「生徒会長が書いたのってどれですかー?」

「ああ、僕が書いたのはそこの『雪化粧』ってやつに載ってるよ」

「わー、凄いですねー!」

「でも表紙が桜の花って」

「ねー、これ考えた人のセンス絶対ヤバイよねー」

「私、こんなに沢山書けないかもー」

「私もー。夏目先輩が手取り足取り教えてくれたら、書けるかもですけどー?」


 いや、失礼。稲葉の忠告以上に、なんかヤバイ光景が広がっていた。

 うちの学校はそれなりに校則が緩いとは言え、目が痛くなるくらいの髪の色に、引くくらい気合い入れてる化粧、おまけにスカートはかなり折って履いている。

 そんな一年生の女子生徒が五人。まさか量より質で来るとは。

 そんな新入生相手に、智樹は笑顔で対応している。その対面に座っている部長様は、なにやら面白くなさそうな表情をしているが。

 あと、部誌をバカにしたやつ誰よ。ちょっと体育館裏まで連行しようかしら。


「わざわざ僕に教わろうとしなくても、うちには優秀な編集がいるから、そっちを頼る方がいいと思うよ」

「えー、でもー、折角ならイケメン生徒会長に教えてほしいじゃないですかー?」

「そうですよー!」

「ははっ、そんなおだてられても、なにも出ないんだけどな」


 ズイッと私の後ろから一歩前に出ようとした会計を、片手で制する。うんざりした様子の三枝もこちらに気づいたようで、何故かその表情が硬直していた。

 別に智樹は、一年生相手に鼻の下を伸ばしてるわけでもないし、危惧していたみたいにナンパじみたことを言ってるわけではない。

 だから。そう、だから、ここはいつも通り、優しい声で彼の名前を呼んであげればいいだけのこと。


「智樹」

「……っ⁉︎」


 たった三文字紡いだだけで、部室内に響き渡っていた黄色い声が止む。大きく肩を震わせた彼は、錆びた機械のようにぎこちない動きでこちらに振り返って。ひっ、と小さく悲鳴を上げた。

 恋人が名前を呼んで、あまつさえ笑顔すら浮かべていると言うのに、その反応はなんなのか。遺憾の意を表明したいところだけど、まあ、今はそんなこと置いといて。


「随分と盛況のようね。あなたも人気者になって、よかったじゃない。どう? つい数週間前まで中学生だった新入生の女の子達を侍らす気分は。さぞ爽快なんじゃないの?」


 ふふっ、と微笑みを漏らせば、智樹は引き攣ったような笑顔を浮かべる。

 なにをそんなに怖がっているのかは知らないが、さっきから視界の端に映る一年どもが目障りね。どうしようかしら。


「ちょっとちょっと、いきなり入ってきてなんなんですか? て言うか先輩誰?」


 この一年どもをどう始末しようかと考えていれば、智樹に一番近づいていた金髪がこちらに詰め寄ってきた。なんかもう、見るからにリア充ですって感じ。しかも恐らく養殖モノの。私達オタクを「高校生にもなってアニメ見てるとかダサ過ぎよねー」とか言って見下してくるタイプだ。絶対そうだ。(偏見)


「私達、夏目先輩にここの部活のこと教えてもらってたんですけど、邪魔しないでもらえますー?」


 化粧は派手だしスカートは短すぎるし先輩に対する礼儀もなっていないし。さて、どう料理してあげましょうか。どうせなら、二度と智樹に近づかせないために再起不能なくらいまで痛めつけたいのだけど。

 その一年をじっくり観察していると、私の肩口からヒョコッと顔を覗かせた会計が、いつも通り人好きのする笑顔で言い放った。


「いやーごめんね! 私達も文芸部なんだ! だから智樹くんだけじゃなくて、私達にも色々聞いてよ!」

「えっ、いや理世はちが──」

「ねっ、智樹くん?」

「ソウデスネ……」


 もはや冷や汗すら垂らしているのではないかと思うくらい、智樹の反応はぎこちない。やだ……私の彼氏、発言力低すぎ……?

 しかし、さすがはリア充コミュ力強者と言ったところか。会計の人好きする笑顔は一年どもに受け入れられたようで。

 金髪以外の他の一年も智樹から離れ、こちらに寄ってくる。


『これで智樹くんからは引き剥がしたよ!』


 視線でそう語りかけられた。上出来よ。やはり灰被り姫は、下賤の者どもと上っ面だけ仲良くなるのは得意のようね。

 会計に頷きを一つ返し、改めて五人の一年生に向き直る。


「あなた達、みんな文芸部に入部するつもりなのかしら?」

「つもりって言うかー」

「もうここしかないっしょ! みたいな?」

「ここなら生徒会長に優しく教えてもらえるし!」

「でもあの部誌はないよねー」

「あーね。あれはない。せめて季節感統一させろよ、みたいな!」


 あちゃー、なんて小さな呟きが隣の会計から聞こえる。定位置に座っている三枝は苦笑していて、その向かいの智樹は諦めたようなため息を漏らすのみ。

 察しの良い恋人と友人と部下で助かったわ。それにその様子だと、特に口出しするつもりもないみたいだし。

 咳払いを一つすれば、私に視線が集まる。だからと言って、私が笑顔を浮かべるとか、そんなことするわけもない。いつも通り無表情を貫いたまま、下品に笑う彼女らに向かって、口を開いた。


「では、部室から出て行ってくれるかしら」


 笑い声が止む。私が部室に入って来た時のように、時が止まったかのような静寂が室内を満たす。

 呆然としてなにも言えない五人に、私は淡々と二の句を繋いだ。


「聞こえなかった? 今すぐここから出て行けと言っているの。年上に対する礼儀がなっていないばかりか、人の作り上げた創作物を否定し、嘲笑う。そんな輩は文芸部必要ないわ」


 一度ならず、二度までも。

 その部誌は、私達の思い出が詰まったものだ。私と、智樹と、三枝と、紅葉さんの。そして、それを理解していて、決して私達とは無関係なんて言えない灰砂にとっても。

 まあ、それは良い。その思い出はあくまでも私達のもので、そこに彼女たちの共感を求めようなどとは思わない。上っ面だけのそれを得られたところで、ただ苛立ちが募るだけ。

 しかし。しかしだ。誰かが心血を注ぎ作り上げたものをバカにすることは、許されない。

 ここは文芸部だ。私達は、読む側であると同時に、作る側でもある。ただ読むだけならば結構。お好きに否定して、批判して、下品に唾を飛ばせば良い。

 だが、同じ創作者になると言うのなら。それは最も許されざる行為だ。


「は? なにマジになっちゃってんすか? ちょっと冗談で言っただけなんですけど。そもそも、先輩は部長じゃないんでしょ? 部長はそこの三枝先輩って聞きましたよ」


 恐らくはこの五人のリーダー格なのだろう。最初に私へ噛み付いて来た金髪が、はっと鼻で笑う。

 三枝に視線を巡らせれば、肩を竦めてやれやれと言わんばかりに首を振った。こちらに任せる、と言うことらしい。

 ならば遠慮なく。

 口角が釣り上がるのを自覚する。それを気味悪がったのか、目の前の金髪が一歩後ずさった。


「そう言えばあなた、さっき智樹に一番くっ付いてたわよね」

「それがなにか? 私が夏目先輩にどれだけ近寄ろうが、あなたに関係ないじゃないですか。まさか好きな人が取られたくないからー、とか、そんな理由ですか?」


 金髪の言葉に合わせて、他の四人がクスクスと笑い始める。


「あら、名推理ね。おめでとう、大正解よ」

「は?」


 失礼な声を発しながら睨むように見上げてくる金髪の横を通り、後ろの四人も素通りし、更にその背後で傍観に徹している智樹の元へ足を進めて。


「え、桜? なに、ちょっ、無言で近寄られるとこわ──」


 ネクタイを掴んで無理やり引っ張り上げ、強引にキスをした。

 唇を離して一年どもに向き直れば、全員ぽかんと口を開けていて。どうやら、今の私の一連の行動が理解出来ずにいるらしい。


「改めて、自己紹介でもしておこうかしら。生徒会副会長の白雪桜よ。このクール気取りでキザなナンパ野郎の恋人をしてるわ」


 私のブラウスの下と、智樹のカッターシャツの下。そこに隠されていたネックレスを表に出させて、見せつけるようにして言い放った。

 それは正確に言えばネックレスではなく、チェーンを通して首に掛けれるようにした、ペアリング。クリスマスの時に貰ったもの。

 はてさてどんな愉快な反応が返ってくるのかと期待していれば。


「あーーー!!!!」


 最初に声をあげたのは金髪でも他の一年でもなく、扉側に取り残された、哀れな負けヒロインだった。

 ちっ、面倒なとこに飛び火したわね。


「なんで! よりにもよって!! 私の前で!!! キスとかしちゃうの!!!! 智樹くんッ!!!!!」

「いや、僕は悪くな──」

「しかもそれなに! ペアリングって! 装飾品の着用は校則違反なんですけど⁉︎」

「お、落ち着いてくれ理世、別にこのペアリングに深い意味は──」

「あら、私はてっきりそのつもりで渡して来たと思ってたんだけど、違ったの? 酷い男なのね」

「ちょっと桜は黙っててくれ、話がややこしく──」

「白雪さんも! 今回ばかりは協力体制を取ってると思ったら! 見せつけてるの⁉︎」

「ええ、勿論。それとも、シンデレラ様にキスは早かったかしら? 所詮はガラスの靴を見つけてもらえなかった灰まみれのお姫様だものね」

「そっちだって、あざとく毒飲んで王子様にキスさせた白雪姫のくせに!」

「だから、ちゃんと飲んじゃった分はこうして放出してるじゃない」

「人に向けて投げないの!」


 憤怒の表情を浮かべてこちらに寄ってきた会計と小競り合いをしていると、一年どもが声を潜めてなにやら話をしているのが、耳に届いた。


「ね、ねえ、白雪先輩って、あの?」

「だよね……あの、告白してきた男を全員粉微塵になるまで粉砕して新しい性癖に目覚めさせるっていう……」


 ん?


「私は、クラスメイト全員に喧嘩を売って全員を這い蹲らせた悪魔って聞いたけど……」


 んん?


「教師の弱み握って脅してるって言ってる子もいたよ……」


 んんん??


「図書室で煩くしてた不良を全員殴って追い出したとか……」


 んんんん⁉︎⁉︎


「ねえ、これ逃げた方がいいんじゃない?」

「もしかしたら、会長もヤバイ人なのかも……」

「ちょ、ちょっと、あなた達?」


 声をかければ、ひっ、と悲鳴を上げる五人。私に楯突いていた金髪まで。

 待って、なに、もしかして他にもなにかあるの? 尾ひれがついてるってレベルじゃないんだけど⁉︎


「「「「「ごめんなさいー!」」」」」


 震える声で叫びながら、一年生は逃げるようにして部室を出て行った。いや、まさしく逃げたのだろう。彼女達の中での私は、不良すらボコボコにするヤバイ奴なのだから。

 予想の斜め上な展開に、今度は私がなにも言えず呆然としていると、耐えきれないとばかりに大きな笑い声が。


「ダハハハハハッ!! マジか! 白雪さんいつのまにそんな伝説残してたんだよ!」

「あ、あんなの嘘に決まってるでしょ!」

「でも、あながち間違いでもないだろう? 少なくとも僕は、心当たりがあるんだけど」

「うっ……」


 智樹の言う通り、全部が全部全くの嘘と言うわけでもない。火のないところに煙は立たないというし。

 確かに、智樹以外からの告白は全部情け容赦なく切って捨てたけど。クラスメイト全員に喧嘩売ったけど。教師(叔父)の弱みならいくらでも握ってるし脅したことだってあるけど。図書室で煩くしてるやつらを無理矢理追い出したこともあるけどっ!


「えー……さすがの私でもドン引きするよ……」

「だから! あんなの嘘だって言ってるでしょ! ちょっとは信じなさいよ!」

「どうだかなー」


 会計の白い目が突き刺さる。一部だけを見れば真実ではあるので、そんな目で見られたらなにも言い返せない。

 誰よこんな噂立てたの……て言うか一年が入学して、まだ二週間よ? 噂広がるの早すぎない?


「さしづめ、小梅ちゃんが桜の自慢でもしたんだろう。で、元からあって悪評と奇跡の融合を果たした結果、尾ひれがつきまくってあんな噂になったんじゃないか?」

「小梅……」


 十分ありえる智樹の仮説に、私の心はとても複雑。自慢してくれるのは嬉しいけど、それが原因でこんな噂が立つとは、小梅も思っていなかっただろう。


「まあいいじゃん! 智樹くんと白雪さんが付き合ってるってまた噂になるだろうし、そうなれば白雪さんの噂もあって、智樹くんには変な虫つかないよ!」


 変な虫筆頭に励まされてもなにも嬉しくない。三枝はまだ笑ってるし。いつまで笑ってんのよぶっ殺すわよ。


「ま、あんまり気にし過ぎるのもどうかと思うぜ?」


 慰めるように、智樹がポンポンと頭を優しく撫でてくれるけど。

 これから残り一年、新入生に怖がられながら過ごすと考えると、気分は落ち込む一方だった。

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