ニューオーシャン。
Wi-Fiも無事開通したことで熊井宅ではギガを気にすることなくネットサーフィンが出来る様になった。
まぁ要するに熊井さんはネットサーフィンにハマっているのである。
「末松さん!スマホより画面が大きくて見やすくていい感じです!買ってよかったです!」
もしかしたら彼女はわざわざパソコンを買った理由を忘れてしまったのかもしれない。
たぶんそんなことは無いとは思うがやっぱり新しいパソコンというのは嬉しいみたいだ。
「やっぱり新しい事にチャレンジしてみるって楽しいですし大事ですよね」
さっきまでテンション高めにネットサーフィンをしていた彼女がいきなり真面目なトーンで俺に顔を向けて話しかけてきた。
「今、私結構やる気に
環境が変われば気分もやる気も変わるっていうのはよくある話なのかもしれないが、いざ変えようと思って変わるのはそう簡単な事ではないと思う。
それに簡単に変えれるのなら多くの人が苦労しないだろう。
俺も自殺して幽霊になるという多くの人が経験した事ないであろう状況になってこんなにも変わることが出来た。
もうここには女性と喋るときに緊張して噛んでしまう残念な大学生は存在しないのである。
人に気持ちを伝えるのが怖かった自分。
けれど伝えようとしなければ絶対に相手には伝わらない。
拒絶される可能性もある。
しかしそれでも伝えなければ何も変わらない。
走り出さなければ何も変わらない。
それを俺は知った。
もし、もう一度人生をやり直すチャンスがあればそれを持って生きていきたい。
熊井さんには俺みたいな後悔をしてほしくない。
だから自分が出来ることはなんでもやろう。
物理的には出来なくても考えたことや気持ち的なとこは体が有る無しは関係ないのだから。
「さてさて、ここまではスタートの前の段階ですよ!これからが本番です!熊井さんのYouTube生活はここから始まるんです!その溢れきったやる気でやっていきましょう!」
YouTubeに曲を出したからといってそこから有名になれるとは限らない。
むしろ成功する確率のほうが圧倒的に低い。
そんな簡単に成功出来るとは俺もたぶん熊井さんも思ってはいない。
ただ、動き出さないと何も動かないということは俺も熊井さんも知った。
だからこそ二人ともワクワクが止まらない。
これから漕ぎ出すのは自分達の知らない世界。
ニューオーシャンなのである。
そこには不安も後悔も存在するだろう。
しかし帆を張り続け進むしかない。
彼女のその一歩に立ち会えたことは本当に嬉しい。
「これからもよろしくお願いしますね」
彼女は嬉しそうに声を弾ませて言う。
「こちらこそよろしくお願いします」
ここから始まる二人のニュージャーニーがこの後日本を揺るがす大事件の始まりだったとはこの時の二人は知る由もなかった。
というあたかも話題の大作にありそうなセリフを言っておく。
まぁそんなことは今の現実では絶対あり得ないとは思うがこういうセリフってめちゃくちゃテンション上がるよね?
一度言ってみたかったのよね!
ドキドキワクワクの物語がここから始まる!!!
次回!乞うご期待!!!!
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