果てしなき闇の彼方で。
俺は予想にしなかった展開に頭を殴られたような衝撃を感じながら歩いていた。
こんなアニメがあったらなかなかの秀逸作品になるに違いない。
ここまで視聴者の期待を裏切ってくるとは。
普通流れ的に日曜日まで一緒にいるものだよね?俺間違って無いよね?
もしかしたら彼女は俺と日曜日まで一緒にいるのが嫌だったのか?
遠回しに嫌だと伝えられたのか?
女の子とまともに話したことのない俺には絶対解けない問題を無限ループのように考えてしまう。
俺の何がいけなかったのだろうか。
顔か?顔ならば仕方ない。
確かに俺はイケメンでもなければオシャレでもない。しかし同時にアニメ好きでありヲタクであり、全てであり。
ブサイクはイケメンにはなれねぇ。ブスはブス、イケメンはイケメンだーーー!
そんなことはどうでもよくて、とりあえず一旦家に帰ってきたがこの現状はとてもよくは無い。
無論生きているならばゲームやアニメを見ればいいのだが、如何せん、
電気付けられないから部屋は暗いしテレビ見れない。
このままでいいのか和彦。それでも男か和彦。
男でも無理なものは無理です。
俺は部屋を出て暗くなった街中をフラフラ歩いていた。まさに浮遊霊そのものである。もし幽霊が見える人に見られたらそう思われるのだろう。
歩いている間に再びいろいろなことを考えてしまった。
自分のふがいなさ、死んだという現実。
そうしているうちに涙が溢れてくる。
自分の軽率な行動が招いた結果だということはわかっている。
しかしここで泣かずしてどこで泣くのか。
絵面はよくないことはわかっています。けれど少しだけ泣かせてください。
俺がたっている隣をカップルが楽しそうに会話しながら通り過ぎた。
俺は彼らから逃げるように歩き始めた。
どれくらい彷徨ったのだろう。俺は彼女の家の前に来てしまっていた。
これじゃ単なるストーカーそのものではないか。
顔は涙でぐしゃぐしゃ。髪もぼさぼさ。不審者そのものの格好である。
俺にはこの人しかいない。だからここに来てしまった。
自分でも知らないうちに彼女に憑りつく幽霊になってしまっていたのだ。
ベルを押したい。しかし俺はものに触れない。夜に外出の予定がなければ彼女がドアを開けることは無いだろう。
俺はフラフラ手を上げる。
押せないとわかっていてもすがるような気持ちでベルに手を伸ばす。
ピンポーン
「はーい。少々お待ちくださいー」
彼女の声がドアの向こうから聞こえてくる。
ガシャ
ドアが開く。
「す、末松さん?!」
「クズッ、くま、クズッ、いしゃん、クズッ、でん、クズッ、き、クズッ、ちゅけ、クズッ、られな、クズッ、くて、クズッ、くらく、クズッ、て、クズッ、クズッ」
放浪によってプライドが崩壊した俺には怖いものはもはや何も無かった。
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