ラノベ紹介(2019年5月~)

81.魔女の旅々 感想

「このラノ」2018年の単行本部門で9位、2019年では6位と着実に順位を上げ、評判が良いのと、表紙の主人公・イレイナの可愛さに惹かれて購入しました。


 あとがきによると、この作品は元々Amazon kindleストアで個人出版されたもので、ランキングで人気一位を取りGA文庫編集部の目に留まり出版されたもののようです。


 そういったデビューの仕方もあるんですね。面白いです。



◆タイトル『魔女の旅々』

◆作者 白石定規

◆イラスト あずーる

◆レーベル GAノベル

◆発売日 2016/04/30


◆感想


 あるところに旅の魔女がいました。彼女の名はイレイナ。

旅人として、色々な国や人と出逢いながら、長い長い旅を続けていて――というお話。


 ですます調の優しい語り口で語られる童話みたいなファンタジー……と最初は思っていたのですが、読んでいくうちに、あれ、イレイナさん意外と毒舌?性格悪い?でもそこが魅力だったりします。


 旅を続ける魔女イレイナと彼女が出会う様々な人々。彼女が訪れる国について短編連作のような形式で書かれていて、構成としては『キノの旅』に近い印象を受けました。


 ただ『キノの旅』が割と悲惨で容赦ない話が多い中、語り口のせいか『魔女の旅々』はキノよりは殺伐としてはいません。暖かい話も多いです。でも時々切ないような、残酷なようなキュッと胸が締め付けられる話もあり、それが癖になりますね。


 一巻では特に幸せを瓶に詰めるお話と、花束の話、それから記憶を失ったお姫様の話が心に残りました。


 初めは淡々としたお話だと思っていたのですが、空いている時間にパパッと読めるし、読んでるうちにだんだんハマってしまい、いつの間にか夢中になって読んでいました。癖になりそうです。高評価の理由も分かる。


 最近のラノベが苦手な方やラノベ初心者の方にもオススメできる一冊だと思います。

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