82.吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる
『文学少女シリーズ』でおなじみの野村美月先生の作品です。
ファミ通文庫で何か恋愛ものっぽいものは無いかと探していて見つけました。
◆タイトル『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる』
◆作者 野村美月
◆イラスト 竹岡美穂
◆レーベル ファミ通文庫
◆発売日 2014/06/11
◆感想
バスケの強豪校で練習に打ち込んでいた詩也。けれどもある日、彼は人ではないものになってしまう。
人を遥かに超える身体能力を得たため、バスケも続けられず転校したその先で、詩也はマリア様を思わせる綺麗な先輩に出会う。
連れていかれた先は演劇部で、そこで詩也は先輩のパートナーとしてドラキュラを演じることになってしまうが――というお話。
野村美月さんといえば『文学少女シリーズ』もそうですが、とにかく描写の丁寧さと繊細さが素晴らしい!
主人公がいきなり刺され、吸血鬼と出会うというドラマチックな場面で始まる本作。短いですけど、印象的な場面でかなり好きです。
後は転校先で先輩と出会うシーンも良いですよね。描写が綺麗で、フワフワしてて可愛くて、ここも好きです。
それから吸血鬼になってからの詩也の葛藤もリアルで、つい感情移入してしまいます。
でもただ単に描写が厚いだけじゃないんですよね。
例えば転校前に色々あったあたりとかはサクサクっと飛ばして断片だけが示されたり、会話だけが続くシーンも案外多いんですよね。
でも不思議とこの描写の強弱のつけかたが癖になって……勉強になります。
それから魅力的なキャラクターたちやら校内にいくつもある演劇部など個性的な設定も忘れてはいけません。
高身長なことを気にしている無自覚で魔性の綾音、プライドの高い「薔薇の女王」カレナ様、変人と名高い脚本のいち子。どの子も見てて面白いです。
主人公詩也も、初めは頼りない可愛い系男子かと思いきや、血を吸う時の描写がかなり官能的でエロかったです(笑)
そして最後に劇が始まり、みんなでひとつの舞台を作り上げていくシーンにはグッときます。
レーベルがファミ通文庫で主人公も男の子ですけど、内容を読む限りでは、これはかなり女性ウケしそうだと思いました。
ドラキュラとかそういう耽美的なものが好きな女子には是非オススメしたい作品です。
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