55.ノーゲーム・ノーライフ 感想

 2014年にアニメ化された人気作です。


 なんと著者の榎宮祐先生は漫画家で、この表紙や挿絵イラストも榎宮先生のものです。


 あとがきによると、元々この『ノーゲーム・ノーライフ』漫画原作のために書いたもので、別の人が作画を担当する予定だったそうです。


 それで、作画担当の人がバトルシーンが苦手だと言うので、バトルシーンの無い異世界ものにするために「全てがゲームで決定される異世界」という設定を思いついたのだとか。


 凄いですね、文章も絵も上手くて。天は二物を与えた!!



◆タイトル『ノーゲーム・ノーライフ』

◆作者 榎宮祐

◆イラスト 榎宮祐

◆レーベル MF文庫J

◆発売日 2012/04/25


◆感想



 あらゆるゲームで勝利する、未だに黒星のついたことの無い都市伝説のようなゲーマー、『 』(くうはく)の正体は空と白の兄妹。


 そんな二人は人生はルールも目的も不明瞭なクソゲーであると感じていた。


 「生まれる世界を間違えた」そんな風に考えていた二人が誘われたのは、ゲームで全てを決定する異世界。


 そこでは人類に残された領土は残りわずかで、最後に残った人間の国の前国王は「時期国王には人類最強のギャンブラーを」との遺言を残していた――というお話。



 あらすじだけ読むと普通の異世界ものにも見えるのですが、作者の文章力のなせる技なのか、冒頭の数ページを読んだだけでゾクゾクと惹き込まれました。


 その後も次から次へと面白い見せ場があって最初から最後まで飽きずに一気に読了。


 天才的頭脳を持つんだけどコミュ障で引きこもりの妹と、人の心を読んだり駆け引きするのが得意な兄。欠点はあるのだけれど、それをお互いに補完しあう兄妹がいいですね。


 二人の仲がちょっとアブない感じなのもそれはそれでまた良い!(笑)


 一見どうやって勝つのだろうという不利な状況にも余裕の笑みで立ち向かう二人。様々な作戦を使い、不利な相手にも打ち勝っていくゲームシーンはすごくワクワクします。


 たまに異世界ものを読んでると現実世界でただの引きこもりのニートだったやつがいきなり異世界で活躍できるわけねーだろ! とツッコミを入れたくなるのもありますが、空と白の二人の天才描写には説得力があり、違和感が無いのがすごいと思います。


 他の異世界転移ものとはちょっと違うな、と思わせてくれる作品。オススメです。

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