雷コワイ: 紫色の煙
今日は、私自身が雷は怖い…という話です。
大学時代に、留学費用を稼ぐためにゴルフ場でキャディをしていた時の話です。
夏になるとよく雷はよく発生します。ゴルフ場は天気予想会社からデータを買っているので、放送で「雷が近づいてきます」と無線が入ると、数分後に雷が鳴なり出します。
とっても雷が嫌いなお客さんは「ゴロゴロ」をきいただけで帰ります。が、粘る人は粘り…
近づいています…と放送が入っても「中断してください」というまで続行する人もいます。
ある日雷が鳴り出して、なかなか退避放送が入りませんでした。お客さんは普通に進んでいき…
(嫌だなぁ。この辺りに逃げるところないよ)
と思っていると、お客さんが一人
「トイレいってくるよ」
と消えました。
「この辺トイレないし(怒)」そのまま前に進んでいくと、雷はいっそうひどくなってきました。
そしてついに
「プレーを中断して避難してください」
の放送が入りました。避難しようとしましたが…一人足りないんだ…と思いモタモタしていると、ほかのお客さんが
「あいつはくるから、先に逃げるぞ」
と私を引っ張ったので、コースを超えた避難所へ逃げました。小屋の軒に入り、コースを見ていると、用を足しにいったお客さんが見えました。
「早く早く」
仲間が急かした次の瞬間、耳をつんざくような音がして目が眩むような閃光が光りました。
「やば」
お客さんは、よろめきながらも走ってきました。が…お客さんの後ろの大きな松の木が真っ二つに裂けて、見たこともないような紫色の煙があがっていて、とても焦げ臭い匂いがしました。
お客さんは顔面蒼白で「耳がおかしい」と訴えていました。私は足がガクガク震えました。
ゴルフ場で雷に遭ったら早めに避難してくださいね!トイレはお手洗いでね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます