第5話 僕が呆れた二人の旅

 こうやって僕らの旅は始まる。

 次の目的地は、カラダに決まった。

カラダというのは、姐さんとディンパさんの故郷だ。

 目的地が、カラダに決ま ったのは二人のお間抜けなところが理由だ。


「思ったんですけど、目狐さんがダリンさんと姐さんの結婚に嫉妬して姐さんに魔法をかけたんだとしたら、目狐さんはダリンさんの事が好きなわけで」

「好きなわけで、何だ?」

 姐さんも、ディンパさんも気づいて無いのか?


「普通に考えて、好きな人の傍を離れないんじゃないかなぁ、と」

「うわ、つまりダリンの居るところ(故郷)に目狐の奴はいるって事よね、考えてなかったわ。だって、あんな奴、カラダ(故郷)で見たこと無かったもの。てっきり余所者だと思っていたわ」


 というやり取りをしたからだ。

 ダリンさんのところに行って、近辺を探ってみようという事になったのだ。

 二年間もの間、そんな事にも気がつかないなんて、ただ魔法大会に出たり旅をしたかっただけなんじゃないかと考えたくなってしまう。


まぁ、馬鹿なんだろう、二人とも。


 カラダに向かう道中、姐さんの話を色々聞いた。

 姐さんは、熊女どころかスタイル抜群で色気のある女性だったらしい。本人が言うだけなら怪しいが、ディンパさんが、そうだ、そうだと頷く。

 ディンパさん、姐さんのこと好きなんだろうなと話を聞いていると分かってしまう。

 姐さんとダリンさんは幼馴染。お母さんを早くに亡くした姐さんは、お父さんと二人暮らしだったけれど、ダリンさんを始めとして何人かのお弟子さんがいたから寂しく無かったという。


 カラダの街に着くと、ディンパさんは一旦、実家に帰って行った。三人のお姉さんたちが 待っているという。それもディンパさんに似た。(想像したくない)

 それで僕と姐さんだけで、目狐さんを探すことになった。

 

まずは、ダリンさんのところに行ってみる事に。

ダリンさんのファンならば、ダリンさんが何かしら知っているかもしれない。

 姐さんたちときたら、そんな初歩的な捜査もしないで旅をしていたらしい。


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