裏社会への第二歩

ここは北の大陸、フォレスタ。

その大陸の東側に位置する都市、レンタ。

その辺境の田舎、ルルイヴにアルカディア·ヴァルキエナが経営する孤児院『サンタ·ヴァージン』がある。といっても始めたばかりでまだ誰もいないが。

ここはのどかな場所だ。レンガの家が立ち並び、市場が地元の人々で賑わっている。


色々な店があり、威勢のいい声が飛び交っている。


「おじ様、これいくらです?」


アルカディアが箱に入った赤い果実を手に人の良さそうな八百屋に声をかける。


「いらっしゃい!お嬢ちゃん!見ない顔だね?アプリコかい?1個1フォルさ!」


「じゃあ5つくださる?」


お金を渡しアプリコを受け取る。ちなみに1フォル200円ほどである。

「ありがとう、実は最近レンタから来たの。」


とふわりと笑う。


「へぇ、都市からこんな辺境にご苦労様だね。ここらへんはモンスターも多いってのに、一体何しに来たんだ?」


訝しげに聞く店主にこういう反応だよねと思い苦笑いしながら答える。


「実は孤児院を開きに来たの、ルルイヴはモンスターが多くて孤児も多いって都市で耳にしたから」


「あぁ!あの丘のとこに立ったあの家か!そうかそうか!ありがてぇな!こっちも孤児たちにこまってんだ。」


とため息をはく店主、可哀想なのはわかってんだけどなぁとつぶやく。

「ただこっちにも生活ってのがあるからよ、商品を盗まれちゃかなわねぇんだ。お嬢さん。よろしく頼むぜ。」

そう言って店主は作業に戻っていった。


 アルカディアは丘までの道をアプリコが入った籠を持ちながら登っていく。

町並みを見るために市場に行ってみたがなかなかこの町は貧しいのか少し痩せてる人が多かった。

そして店主からの話で孤児たちはおそらくモンスターによって親を殺されているかもしれない。

こんな世知辛い世の中だから一応闘える。

家が騎士の家系だったからそこら編の一兵卒よりは強いはずだ。

孤児を多く、できるだけ沢山救えるように努力せねばと意気込みながら院への道を歩くのだった。

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