ガチャは賭博じゃありません!(条件つき)

「ガチャは射幸心を煽りギャンブル性が高い」とよく言われている。

射幸心にちなんだ有名な話と言えば「待ちぼうけ」が挙げられるだろう。ガチャはまさに「切り株にウサギが激突するような幸運」が得られる可能性があるものだ。


ただし、いくら射幸心を煽りギャンブル性が高いと言っても、ガチャはギャンブル(賭博)そのものではない。ガチャが賭博たり得ないように作られているからだ。

その仕組みは「賭博」の定義を見ればすぐに理解できるだろう。


賭博とは、一時の娯楽に供する物を除き、「当事者双方が損をする可能性がある行為」である。金銭に直結しているものが一般的で、例えば参加費を払って優勝賞金が得られる麻雀大会を開催すると罪に問われる。食事や飲み物などは「一時の娯楽に供する物」にあたるので、じゃんけんで負けた人が食事代を出す程度であれば罪にはならない。


さて、ガチャの例を挙げてみよう。

ガチャでもらえるキャラクターやアイテムは「一時の娯楽に供する物」にあたらない。そのため、ここで重要になるのは「損をしているかどうか」となる。

そこでゲーム運営側はガチャで排出されるモノの価値を正しく設定し、関係者から問い合わせがあったときに即応できるようにしているのだ。


たとえば、1回300円のガチャであれば、手に入る物はすべて300円以上と定義している。つまり、300円支払うと300円以上のものが確実にもらえる。これは忘年会や結婚式の2次会で行われる無料のビンゴ大会などと同じく、損をするのは一方(運営側)のみとなり、賭博にはならない。


ここで気になるのがいわゆる「レアリティ」だろう。ご存知のとおり、キャラクターやアイテムには性能差があり、出現率が低いものほどユーザー目線での価値は高い。

この価格設定は運営側それぞれでスタンスが異なり、「全レア同額」と「レアリティごとに単価を設定」のいずれかを行っている。単価を公表している運営はまずないと思うが、どちらのスタンスでやっているかはガチャの展開状況でなんとなく把握できる。


後者のスタンスの場合、「特定レア以上限定ガチャ」の1回の単価が通常よりも高い。


ノーマルとスーパーレアの価値が一緒というのは腑に落ちないかもしれないが、そちらのスタンスで運営してもらったほうがユーザーにとってはうれしいものなのだ。

ただし、ガチャに関しては抱き合わせにならない程度のアイテムをつけて単価を上げる場合があるので短慮は禁物である。


ちなみに運営サイドの話になるが、アイテムなどの価格を決めるときに注意しなければならないのは「石1個あたりの単価」である。実際にガチャをするときは現金ではなく石で支払う。石は大量にまとめ買いをすると単価が下がる場合があるので、最低単価を基準に手に入る物の価格を定義しないと賭博になってしまうのだ。

また、1回300円、11回3,000円のガチャがあった場合、手に入る物の単価は高いほう(この場合は1回300円)を基準としなければならない。すべての設定は消費者側がもっとも有利になる条件で行う必要があることを覚えておこう。

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