第3話混沌の刺客
一行が旅立つ様子を、霧の向こうより見守る二つの怪しい人影が身を潜めていた。
一人は漆黒のローブを身に纏い、手にはグローブ。胸元には青い薔薇をさしているのが伺える。
もう一人は… 黒い物体に覆われていてその正体を確認出来ない。
「クラウスは失ってしまったが… ククク、どうやら上手く事が運んでくれたようだな。」
不気味に黒い物体が語りだすと、ローブの男は
「良いのか、大事なものだったんだろうあれ。」
「問題ない。“魔女”のお守りが少なくなれば、その分“モリガン”を手中に収めやすくなる…」
「“モリガン”が覚醒した今、彼らは“我ら”に引き寄せられる運命にある… ククク。」
ローブの男は、内に秘めていた疑問を投げ掛ける。
「再び“モリガン”を手に入れようとしているのは、“あの方”の降臨に必要だからなのか?」
「その通り…。貴様の器では“我が主”の魂を降臨させるのには容量不足だからな。」
「…フン、人を何年も繋ぎ止めておいて、その程度の扱いか。」
「まあ、“我ら”の目的が達成出来ればその時は、貴様を解放してやろう…。
だからそれまでは精一杯働いてくれよ?(最も解放した後までも人間の寿命をとっくに越えている貴様は、生きてはいられないだろうがな…)」
「ああ、わかっている…」
主従関係を再確認したところで、黒い物体は野望を口にしだした。
「世界を混沌で満たし、“我ら”の思うがままにできる日も、もうすぐそこまで来ている…ククク。」
「次に彼らを向かわせるのはーーー。この舞台こそ、“我が主”が降臨し、“我ら”が時代の幕開けにふさわしい… ククク、クハハハハハハ!!」
絶望に立ち向かう空白の運命しか持たない者たちと、それらに向けられた敵意。
繰り返される因縁の行く末は、まだ誰にも知ることは出来ないーーー
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