〜2日目(前編)〜

 

翌朝支度を済ませ、8時になったところで部屋を出た。システム上部屋を出たらそこはカウンターではなく外だ。


「おはようございます!昨日はよく寝れました!」


「ふぁ~あ、おはよう、そういえばあんたの名前聞いてなかったわね」


「ユウキです!」


「地味~な名前ねぇ…」


「はい…(泣)」


「あ、そうそう、今日はジョブ決めに行くわよ」「ジョブ?」


「昨日あんたが言ってた職業のこと」


「あぁ、そういえば」


僕は何も考えてなかった。

ひょっとするとこれってものすごく大事なことなんじゃないのか?


「あ、あの!」


「ん?」


「リンネさんのジョブは何なんですか?」


「私はマスターアルケミスト、錬金術の3次職よ」


「か、かっけぇ…」


「あんたを見る限り戦士とかの前衛って感じじゃないわね、うん、ウィッチとかどう?」


「魔法使いですか…嫌いじゃないです」


「そうと決まれば行くわよ!」


「はい!」


職業訓練所に着くと、昨日同様、人で溢れかえっていた。

列に並び手続きを済ませると、いきなり杖を持たされてどこかに転送させられた。



「リンネさん?」


そこには僕一人ととがった帽子をかぶった髭の長い男の2人だけだった。


「では、今から職業訓練を始める。」


よくわからないまま訓練は進み、20分くらいで握らされた杖から軽く煙が出るようになってきた。


「ほぉ、まあ思ったよりだいぶ早くここまで来た。おぬし、名はなんぞや」


「ユウキです!」


「ユウキか、いい名前じゃ。とりあえず今日からユウキは1次職であるウィッチの資格を与える」


「え?え?もう終わりなんですか?」


長い訓練をするわけでもなくあっさりと訓練は終わり、元の場所に転生された。

半分寝ていたリンネさんが勢い良く立ち上がってすごい表情で歩いてきた。


「え?もう終わったの?!」


「はい、まだ杖から煙を出した程度ですが…」


「いや早すぎでしょあんた、ってことはもうウィッチの資格が下りたってこと?!」


「はい、これのことですよね?」


「…、あんたすごいわ、よし、正式に私のギルドに加入することを認めるわ」


「リンネさんギルドの長なんですか?!」


「そうよ、実は昨日人員不足でここにきたわけ」


「偶然じゃなかったのかぁ~…」


「偶然よ、こんなにポテンシャルのある人を見つけるなんていい買い物よ」


「ぐ、ぐぅ…」


「とりあえずギルドに案内するわ、来てちょうだい」


「わかりました…」


リンネの話によると、ギルドの建物はあちらこちらに点在しているらしく立地が良ければよいほどもちろんたくさんお金がかかる。

町はずれのギルドに向かう途中に魔物と出くわした。


「うわぁ!!!」


驚いた僕に横から大丈夫と声をかけた。


「初期モンスター、大丈夫、あなたでも倒せるわ」


とりあえず杖で力いっぱい叩いた。

「ウォン」という音とともにモンスターは消え、1G(ゴールド)を落としていった。


「やればできるじゃない!」


「思ったより簡単にできました、よかったです!」


「今のはこのワールドで一番弱い魔物、ブルースライムよ」


「いかにも弱そうですね…」


「まあ、戦いが日常茶飯事だから常に気を張りなさい」


「わかりました!」


僕はリンネさんと歩きながらいろんな話をした。



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