僕がMMORPGの住人やってるって?!?!

@yu_sho_jo

〜1日目〜

 「ウッ!」


目が覚めるとそこは見知らぬ古臭い宿屋にいた。中にはむさ苦しい鎧を着た大柄の男やぼろ雑巾で掃除をしているおばさんがいる。


「ゆうべはお楽しみでしたね。」

そう宿の主人に言われサイレントで早く出て行けと催促されたように感じた。


「ん?なんかこのセリフ聞いたことがあるな…」

考える暇もなく僕は外にいた。何が起きているのかまだわかっていない、昨日は酔っていた、うん、酔っていたんだと思い込んだ。


「タクシー呼ぶしかないよな…携帯携帯っと」 「ん?なんでかばんにはこれしか入ってないんだ?」


といかにも効果のなさそうな薬草とどこかの国のお金で「3」と書かれたものが3枚だけ入っていた。僕は思いのほか冷静だった…気がする。


「とりあえずサービスセンター的なところに行こう、歩行者に聞くのは恥ずかしいし」


宿を出て少し歩くと住人らしい人間がいた。服装などに若干の違和感があったがそんなことはどうでもいい、早くサービスセンター見つけなきゃ。


そして気にせず歩いていると一人の女の子が僕に話しかけていた。


「職業訓練所なら向こうですよ♪」


と指さした。僕はよくわからなかったが軽く会釈をしてその方向に歩いた。


そして2分ほど歩くとそこにはでかでかと「職業訓練所」という看板があった。中を覗くと変な格好をしている老若男女で溢れかえっていたし、なにより「ギルド勧誘」と書かれた板を鬼の形相で振り回している人たちがより違和感を引き立てた。


それと同時に僕は理解した。



「え、え、エエェェーーー?!?!」「これってMMORPGでよく見る光景なんだけど?!そうなの?これそうなの?!?」


すると若い25,6くらいのお姉さんが話しかけてきた。


「あなた職業見つけに来たの?」

「いや、えっと、その…」

「大丈夫よ、あなた新規ユーザーね、この優しいお姉さんが紹介してあげるわ♡」

「わ、わーい…」


職業を見つける前に、リンネと名乗るお姉さんに街を紹介された。


「ここが宿屋、んで、向かいでアイテムを購入できるわ」


そしてしばらく歩きかわいい動物からよくわからない生物までたくさん並んでいるお店を見つけた。


「リンネさん、あれなんですか?」

「あれはペットショップよ、ペットには種類があって共闘するファイタータイプ、治癒専門や味方へのバフを得意とするプリーストタイプ、魔法攻撃専門のウィッチタイプが主なタイプね」


なんだか楽しくなってきた。本当に異世界に飛ばされたんだ。理由や仕組みはともあれ、とりあえずやってみるしかない。


装備や防具の店、その他もろもろの店を紹介され、その日はリンネさん持ちで宿に泊まることになった。


「じゃあ明日の8時ね、ちゃんと起きなさいよ」

「了解です!おやすみなさい!」

「おやすみ」


そう言って個室に入った。

「昨日と違ってちゃんと個室だ…」


今日一日で紹介されたこの世界のことで一番印象に残ったのはギルドのことだ。


ギルドの資金調達には2つあり、1つはモンスターを倒すことで得られるゴールドやアイテムの売却で得られるお金であり、2つ目は一般人や傭兵、ほかのギルドのメンバーからの「葉」と呼ばれる投資金だ。いわゆる株式ととってもいいだろう。ちなみに自分のギルドの葉を購入することはできない。葉は信用に基づき、ギルドの活性のもとのみに使われる決まりがあり、葉の数に応じた配当をしなければならない。


より詳しい情報は後々リンネさんに聞こう。ちなみに僕のかばんに入っていた効果は合計9ゴールドだということが分かった(´;ω;`)



とりあえず今日は寝よう…。

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