特に変身描写が丁寧に書かれていて良かったです。
自身の体がだんだんと妖精に変わっていく感覚、人間がこれまで味わったことのない変身するという不思議な感触を、成す術もなくしっかり感じさせられてしまう描写が好きです。
体が小さくなり、妖精の格好をし、本当に妖精になってしまい、振る舞いまでペットのように強制され、事態がどんどん妖精として仕上がっていく方向に進んでしまうのが面白いです。
小人になって、自分の矮小さを常に思い知らされたり、等身大の妖精の方に共感が向くようになったり、
妖精にされ、ペット扱いされたり、妖精として生息し、人間でない事実を突きつけられ、
人形にされ、最早生き物でないただの物として扱われたり、いつまでも身動きすらできないことに苦しんだり、
人間達からは人間として見てもらえず妖精達からは助けてもらったり優しく接してもらえたり、
妖精駆除をしていた時の罪悪感や永遠に可愛い妖精のままという屈辱も相まって気持ちがぐしゃぐしゃなり、
本当に色々な見所が凝縮されています。