第五話「恋を知って、愛を知って」

「どうして私のこと知ってますか?」

「それは…君の両親に託されたんだ」

「お父さんとお母さんに…?」

今から一年前に遡る。

『天満の父の春翔です』

黒の短髪で、優しい眼差しで眼鏡をかけていて、低めの鼻と厚い唇の顔立ちで、スーツ姿だ。

『天満の母の紗南です』

黒のショートヘアをしていて、優しい垂れ目で、低めの鼻と薄ピンクの唇の顔立ちで、少し色白い肌で、フリフリのリボンが結ばれてる紫色のワンピースの姿だ。

『銀です。よろしくお願いします』

『天満のこと、お願いしたくて、銀さんに頼みたいことがあります』

『一年後のとある夜に、私たち夫婦は殺されることが分かりました。それが私の夢に出てきたんです。

それで、天満の夫になってくれる銀さんに天満のことを守って欲しいです』

『その…あの…紗南さん。春翔さん。僕に娘さんのこと任せられますか?』

『私たち夫婦は、天満のことを見捨てることになります』

『見捨てることにはならないです。ご安心ください。娘さんは、この僕が守りますから』

『ありがとうございます。銀さん』


「その日が来ることを願ってなかった。だけど、どうしようもない事実だった。それまで平然と過ごしてきたことに対して、申し訳ないと思ってるんだ」

「ど…どうしてなの?どうしてお父さんとお母さんなの?ただの遊びだから?」

「天満」

「ううっ」

今まで以上に泣く天満を見た銀はどうしようもできなかった。

「大丈夫だ。天満」

頭を撫でながら、銀の腕の中で眠りについた。


その日、ある夢を見た。

銀が天満の傍から離れいくのを…。

「銀様!」

ハッと目が覚めた。

(銀様…!)

ギュッと両手を重ね、胸の中に隠れてる想いが溢れ出しそうで怖かった。

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