第4話

~前回までのあらすじ~


能力を受け取ったかばん達

七枚のボスモンスターカードを集めるべく

大陸へと旅立った...。


――――――――――――


船に乗って、大陸までやって来た。


「ここからどうするんですか?」


かばんは尋ねた。


「まずは、ボクらの倒せそうなボスはリス港の近くにいる、

マノ辺りが妥当だろうね。カタツムリのでっかいヤツだよ」


「じゃあさっさとやっつけようよ」


「おいおい、ヒグマ...、正気かい?

私達はこの世界のバトルに慣れていないじゃないか」


タイリクオオカミが水を差した。


「私を誰だと思ってるんだよ、セルリアンハンターだぞ?」


「セルリアンとこの世界のモンスターじゃ月とスッポン、まるっきり違うでしょ」


「戦闘慣れしてるんだ。どんな奴でも適応できる。

ロッジに引きこもって漫画書いてるヤツに言われたくないわ

お前はそうやって戦闘慣れしてないから、そう言うんだろ」


「なに?私は常に倒しただろ。忘れたのか?

言っとくけど、ヒグマよりは倒せるよ」


「経験の差って言ってんだよ!あんなので通用するわけないだろ」


「経験?想像力の発想が乏しいのにか?」


「は?なんだと?」


「二人ともやめるのです!!」


博士が割って入った。


「こんなしょーも無いことで時間を費やす方が無駄なのです!」


「皆でレベルアップしなきゃダメだよ」


キタキツネが腕を組みそう言った。


「狩場でモンスターを倒すんだ。そうすればレベルは上がる」


「そうだ、自称戦闘慣れのヒグマさん。

モンスターをどっちが多く倒せるか勝負しようじゃないか」


「いいだろう。引きこもり作家さん。私の方が多く倒せるけどなっ」


腕を組んでお互いににらみ合った。


「じゃあ、狩場まで案内するよ」


慣れた様に、僕たちを導いた。


小高い丘に連れてこられた。

そこから望むと何かオレンジと黄色の物体が蠢いている。


「アイツらはザコだから。ここで狩ってレベルアップしないと」


「久しぶりに野生の血が騒ぐよ」


「ハンターの実力を見せてやる・・・」



「・・・あの二人、武器とか関係なしに狩りつくしそうじゃないですか?」


かばんは博士に耳打ちした。


「ええ...」



そして、雑魚モンスターを狩り始めた。


「オラオラオラァ!!」


「おりゃあああああっ!!」



かばんの予想通り、二人は素手で、もの凄い勢いで

倒しまくってる。



「あーもう!滅茶苦茶だよ!

ゲームの武器があるのに使わないって!!」


キタキツネは納得いかずに怒っていた。


「僕はちゃんと武器を使いますから!」


「ゲームの世界だから、スキルが使えるはずだよ。使ってみて」



一匹のモンスターに、弓を構えた。


(えっと・・・、確かこうして・・・)


ビュン、ビュン、ビュン


矢を射って敵を倒した。

(難しいけど、慣れるよね。そのうち...)



「うぅ...、怖いのです...。」


博士は震えていた。


「で、でも・・・!か、賢い長になるのです!」


目を閉じ、杖を振る。


「え、えい!」


再度開けると、目の前にはお金とアイテムが落ちていた。


「や、やれば出来るじゃないですか...!

流石賢い長のコノハちゃんですっ!」


小さくガッツポーズをした。




「ハァ...、ハァ...、なあ、キタキツネ」


息を乱したタイリクオオカミが尋ねた。


「なに?」


「時折体が光るんだが...」


「ああ、それね。たぶんレベルアップだよ。

目の前に数字が書いてあるはずだよ」


「この20ってヤツか」


「そうだね」


「わかった...、で後、この赤いのはなんだ?」


「押してみれば?」


「ああ、うん」


タイリクがそれに触れた瞬間、光に包まれ消えた。


「課金って出来るのかな・・・?」


少しして戻って来た。


「どうだった?」


「なんかすごかったよ。たまたまジャパリコインがポケットに入ってたから、

ショップの店員に勧められたのを買ったよ」


タイリクはそのショップで買った物を見せた。


『クゥーン...』


抱きかかえた黒と白の動物はタイリクオオカミに似ていた。


「・・・ペットかな?」


「ハスキーだってさ。店員に見せられた時さ、

私と何か雰囲気が似てたからついつい買っちゃったよ」


「良かったね...。ところで今何匹くらい倒したの?」


「そうだなぁ、ざっと500匹近くかな?

まだヒグマのヤツがくたばってないから、あと300くらい狩るか」


「しばらくしたら、全員呼ぶね」


「ああ、わかった。行くぞ、“シロク”」


『ワンッ!』



(タイリクオオカミが楽しんでくれてて良かったな...)

内心ホッとした。


「ボクもレベル上げないとね...」



そして、暫くして・・・



「どうだ、私は2493匹倒したぞっ...」


ヒグマは息を乱しながら、事細かに記録したその数をタイリクに教えた。


「そんなものか?2732匹なんだけどなぁ...」


上から目線でその数を自慢してきた。


「う、嘘だっ!そんなに倒せるはずない!」


「信じるも信じないも自由だけど...、まあ事実なんだけどなぁ?

ねぇ、シロク」


『ワン!』


「タイリクさん、その犬はどうしたんですか...?」


かばんは苦笑いしながら尋ねた。


「買ったんだ。店員さんに勧められたからね」


「私はやっと火嫌いを克服できたのですっ...

ま、長としてはそれくらい出来て当たり前...」


「みんなレベルが上がったみたいだね。

じゃあ、街で準備してからボス倒しに行こうか」


「今度は負けないからなっ...、タイリクめっ!」


「何時でも待ってるよ。ふふっ」


「疲れましたよ、本当に・・・」



「ちょっ、ちょっ!私の話は!?

長の話を無視するなですっ!!」



先に進む4人を必死で追いかけて行った。

こんなメンバーで本当に暗黒の魔法使いを倒せるのだろうか・・・?







フェネックとアライさんはお互いにトレーニングルームから出て来た。


「お疲れ、アライさん。調子どう?」


「アライさんとこの子の調子もいい感じなのだ」


そう言って、頭を撫でた。


「それは良かったよー。そう言えば、終わったらベルさんが来いって呼んでたよね」


「そういえばそうなのだ」


二人はトレーニングルームを後にし、指令室へ来た。




「二人とも、だいたい基礎能力は身に付いたみたいね。

まず、あなた達を元の世界に戻す為の手法を調べなきゃいけない。

だから、まずは大陸にあるエリニアという町に向かってちょうだい。

この町の空港から行けるわ」


という、話があった。


二人は言われた通りに、空港へ向かいそして、大陸へと旅立った。




「フェネック!元の世界に戻る方法を探すのだ!」


「はいよー・・・、ところでこの飛行機であってるのかなあ」


「何を変なこと言うのだ、大陸に向かってるにきまってるのだ」


自信満々のアライさんであったが、フェネックは乗組員に行き先を尋ねた。


「すみません、この飛行機ってどこに行きます?」


「ん、オルビスですよ」


「大陸とは別の場所ですかねぇ?」


「そうですね。オルビスは天空の街ですから」


フェネックはにやけた顔をして、アライさんに真実を告げた。


「アライさん、またやってしまったねぇ。船を乗り間違えてるよ」


「ふぇぇ!?ほ、本当なのだ!?アライさん達は何処へ向かってるのだ!?」


「オルビスだってさ。どこだろうね」


「こ、こんなのって、サイアクなのだーっ!!!」


上空で大声を出した。



この二人も順調に元の世界に戻れるのだろうか・・・

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