第一話「異世界への過ごし方?」

・・・・「あの・・・何かお困りでも?」・・・・


え?急に声かけられたので少しビビった。ふとその声のかけた方を見ると、白色の髪でショートカットの髪型をした背が低い女の子だった。少し見つめていると照れた女の子が。


「あの・・・その・・何か私についてます?」


「え!いや・・別に」


なんていうか、可愛い・・つい見てしまうほどに、


「あのー・・・」


「あ!・・・えーと何か用?」


「あ!いや・・何か困っているかなーと思いまして」


え・・俺が?まぁこんな世界に飛ばされたから困ってるは困ってるけど・・・


まぁ今はこの子がゆういつの助け船だ!乗っておいて正解だろう。


「そうなんだよ・・・金もなく家もなくて困り果ててたんだよね・・・あはは・・」


一見こんな人ただのホームレスとしか言いようがない・・・むしろ今自分がここにいる


のが運が良かったのかもしれない、現実だと早々にこんな金もない家もない人助けるなんて・・・


まぁ優しい人なら別だけど・・・


「あ!なら丁度良かったです♪」


は??今この子なんて・・・


「実は私、今年からあそこの家を借りて宿屋にしようかなと思ってたんですよ」


「な!なんだって!!」


丁度いいじゃないか!・・・あ・・・・


「金ない・・・」


「あーそのことですが、なんと!困ってるようなので!!無料で泊まってもいいですよ」


まじかよ!!最高じゃないか!!いや・・冷静に考えれば・・・何かお約束の展開って感じが・・・まぁ家もないしこの機会に是非!!


「じゃあ・・泊まらせてもらうね」


「はい!あ!でもその代わり少しぐらいお手伝いお願いしますね!!」


え・・・あーやっぱり・・・ちょいとがっかりした・・・まぁ無料には少しのリスクがつきもの・・・なんてね


・・・・宿屋「釜力」・・・・


「えっとー・・・ここ?」


「はい!ここです」


何というか・・・宿屋は村の端っこにあった・・・和風でここの村にあってなさすぎるていう感覚がある。でも何というか落ち着く。ちょいと異世界に日本の文化があるような・・・


「ねぇ・・・村の端っこって・・」


「あ!あの、自己紹介してなかったですね!」


あ・・・無視された・・・こうゆうのは気にしない事が大切なのかな?村の端っこだぞ・・・


宿屋なのに??疑問がある・・いや、もういいや。


「私、リリー・マリカ、マリカでいいですよ」


「俺は・・・」


どうしよ・・記憶喪失で名前も・・・でも名前がないなんて言えないしこの世界で記憶喪失の言葉で通じるのか?あーこうなったら!!


「神谷・・・」


「カミヤ・・・?」


「神谷龍!!」


「カミヤ・リュウ?」


「あーそう」


何とかなったか?名前つけるのは何というか案外簡単にできるな・・・でもなぜ?カタカナで読む?


まぁ気にしたら負けか・・・


「いい名前ですね♪」


ニコ♪っとマリカが言うと・・可愛い・・・いかん!!いかん!!浮かれてたら変な人だと思われる・・・


とにかく冷静に・・・冷静に・・そんなことブツブツと言ってたら・・・


「あの!!とにかくここにいるのもあれなんで、家の中にでも・・・」


「あ!はい!!」


・・・・家の中・・・・


「あ!どうぞ~どうぞ~」


「お・・お邪魔します・・・」


家の中は和風過ぎてちょい怖い・・・歩くと、ギシギシ音がするのが嫌なんだけど・・・・


まぁでも穴が開くなんてないよな・・・・


「そのーゆっくり歩いてくださいね。穴開きそうなんで」


いや・・・それフラグじゃ・・・


怖すぎ!!てか何でこんな家借りたの!?


「何でこの家にしたんですか?」


「あーなんかこう・・・素敵じゃないですか!!」


あーそうゆうことですか・・・・何かマリカさんのイメージが崩れる音が・・・

するような・・・しないような・・・・


「少しこの客室で待っててください。」


「はい・・・・」


この家で生活するのか・・・なんやかんやで大丈夫な家だ。しかし家があっても・・・


記憶・・・そうだよ!記憶がないと、そして元の場所に戻るんだ!なぜこの世界に来たのか。


後、記憶を取り戻す!!この二つを何とかしないと・・・まず状況確認だ!


俺は訳も分からずここの世界にいた。そして記憶を失った・・・この異世界か関係してて記憶を失ったとか?


まぁそれもあり得るかも・・・ただ、その記憶があったとしてもどうする?旅・・・できるのか?無理だよな・・・金がないし・・・そもそもここは異世界、モンスターなどいてもおかしくないだろ、でも・・・武器・・・あーどんなに


考えても最終的には金・・・そんなこと考えてたらマリカが戻ってきた。


「お待たせ!」


「おー!」


マリカは綺麗なまさに異世界にありそうな服を着てた・・・なんて言えばいいだろうか・・・


「えへへ、いい感じ?」


「いいんじゃないか」


「ありがとう」


まぁこの世界の服は正直言ってよく分からない、元々服に関しては興味なかったから、どうでもよかった。


「それでですね・・・この宿屋をもっと多くの人に来てもらいたいんですよー」


「はぁ・・・そうですか。」


マリカと客室でこの宿屋をどういかにいろんな客に来てもらうか考えてたところだ。


「そのためには!!」


「?・・・って!!!」


突如どっか行って何か持ってきたと思ったら大きな袋を持ってきた。その袋の中には・・・


「金・・・」


「はい!」


「えぇぇぇーーー!!」


驚いた!こんなにたくさんの金が・・・って!


「どうして!こんなにたくさん金があるのに宿屋をもっといいのにしなかったの!?」


「いやーここの家はお気に入りだし・・・」


お気に入りだって言ったって来るのは客だぞ・・・


「その金どうするんですか?」


「旅に使う!!」


え・・・今なんて・・・言った?旅?いやまさか、そんなことないよな?


「あの・・もう一度聞くけど?この金は?」


「旅に使い!!そして宣伝するの!!」


まじかよ・・・ってまて!ということは俺も旅に行ける!!だったらここにいるよりも!!よし!!


「俺も行っていいよな?」


「もちろん!!・・・あーだけどね、リュウが行くなら先にあそこに行かないと・・・」


「あそこって?・・・どこ」


「まぁなんていうか旅には危険があるでしょ?」


「まぁあるな・・・モンスターとか」


「だったら分かるでしょ??」


え・・・モンスター・・・・あ!!


「能力・・・」


なんてね・・・んなわけないでしょ・・・でもちょい信じたくなる自分がいる・・・


「能力?あーこの世界でいうなら、ディーチャー(能力)のことだよね」


ディーチャーか、まぁ能力と同じ意味なら。


「そうそう!!」


「だったら行くしかないですね!!」


「え・・・どこに」


能力を付ける場所でもあるのか?そんな都合のいいやつあるのかよ!!


「能力を引き出す場所!!ノガ・・・・」


・・・・「誰か!!キャーー!!」・・・・


「な!何事です~!!」


落ち着いて!落ち着いて!慌てすぎるマリカさんに動揺してしまった・・・


でも、さっきの声・・・気になるな・・・助けて言っているし。


「とにかく行きましょ!!」


「あーー!!・・・は!分かったわ!!」


大丈夫なのか・・・この人といても・・・これが初めの旅の記録になるなんて、思っていなかった・・・

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