第11話 ギャップ

家にいる時の私と、学校にいる時の私は180度違う私だった。


学校では明るく、クラスの中で元気に発言する方だったし、友人もそこそこいた。

喫煙事件で離れた友人も時間が経つと戻り、いつも明るく生活していた。


まるで、家にいる時の私を消したいがために振舞っているようにも思えたが、みんなが笑ってくれたりするのが楽しかった。



彼女もいたし、そこそこモテていた。


しかし、学校での生活の顔も一部であり、衝動に駆られると抑えきれない私も現れた。


どうしても、盗みがやめられなかった。

以前にも増して、人が財布を出したりする行為を凝視するようになった。

盗んだお金で周りにお菓子を奢ったりしてはいい気分になっている私がいた。



バレなければそれでいい。

そんな程度しか考えていなかった。


ハッキリとした二面性を持っていたが、決まって行為を起こす時には、頭の中が押しつぶされるように、かつ重くなったような感覚だった。



人前では明るく振る舞い、家では死んだ人間のようになり、たまに衝動に駆られる私は、自分自身が分からなくなっていた。


自分がこんなんだからいけない。

もっと人に認めてもらわなければいけない。

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