第8話 責めてもの救い

今の私は、私ではないと言い聞かせてきたが、限界点まで達すると、そのもう一人が私を攻撃してきた。


怒られるようなやつはいけない。

そういうことをするのは悪いやつだ。


そんなことを常に考えるようになった私は毎日が苦しかった。

家では、外の世界(父から)で攻撃を受け、内の世界(私自身)から責められて、どうしようもならなかった。


生きてはいけない。


そんな答えが出始めていたが、当時は死ぬ勇気もなかった。


ただ自分を責めるしかなかった。

責めることで救われると思い、色々な方法で自分を責めた。


リストカット

自分を本気で殴る

頭を強く打ちつける

ピアスを付けないが、安全ピンで耳を刺す


責めていたら楽になった。

唯一の救いだった。


また、溜まったストレスを発散させるために盗みもエスカレートした。

ストレスと共に金額が大きくなり、しまいには鍵を掛けていない車の中からバッグごと盗んだりもした。


当時は自分がなぜこういうことをやっているのか理解できなかったが、私のストレスの矛先が金であったことは間違いない。



また、恐怖心からテスト中のカンニングもしだした。


怒られなければいい。


ただそれだけであった。

それでもなお続く外と内からの攻撃。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る