第7話 反抗期

地獄みたいな生活を送っていた私も、中学生の時は人並みに反抗心があった。



なぜこうしてはいけないのか?

なぜ迷惑をかけていけないのか?


今でもだが、周囲の大人(学校の先生はじめ)達が言うことが全く理解できなかった。


そんな気持ちを持っていた私はそれなりのことをしてきた。


タバコを吸う

ピアスを付ける

髪を染める

家出

盗み


悪だくれてはいなかった。

ただただ、今の自分がいる世界とはかけ離れたところにいたかっただけなのだ。


なぜか記憶力がずば抜けて良かったので、テストはそれなりに成績は良かった。

スパルタもあったので、いい点数を取らないと後が怖いという恐怖心からかもしれない。



類は友を呼ぶではないが、同じような考えを持った同級生らが集まっては放課後話したり、タバコを吸ったりして不満を吐いていた。



しかし、そんな反抗心もすぐに折られるのだった。


ある日、部活の練習が夜遅くまで続いたため、帰りに自転車で乗りながら友人とタバコを吸いながら帰っていたら、当時は匂いなども気にしなかったためにそのまま帰宅してしまった。


当然のことながら匂いで発覚してしまう。



そこからの記憶は曖昧だったが、とりあえず殴る蹴る投げられるはいつも通り。

それでも怒りが収まらない父は、風呂場に私を連れて行き、風呂の湯に私の顔を押し付けた。


苦しさ、痛みが襲ってくる。


虐待を通り越して、拷問であった。

タバコを吸った理由が聞きたかったらしいが、何か言うと殴る。


父の求めている答えを外してはいけない。しかし、解離を起こしている私にはもう思考能力がない。

されるがままである。


しまいには、ハサミを持ち出して私の髪を切ってきた。


罰としての坊主らしい。

何がなんだか分からなかった。


おまけに、明日の朝まだ開店していない近くの床屋に行けと言い、残った部分を切ってこいと。


父の頭にはまず、タバコを吸うことはいけないこと⇨俺の教育に従わない奴には暴力⇨罰として学校で恥をかかせるということをしたかったのか、なんでここまでしたのかが理解できなかった。


翌日、床屋で髪を坊主にし、遅刻が確定している状況で自転車を漕いでいたが、父が運転する車は常に後ろから付いてきた。


家出を何回かしていたので、どこかに逃げないかを監視したかったらしい。



なぜ話を聞いてくれないのだろう。

そういうことをする原因を考えないのだろうか。


当時はそんなことも言える状況でもなかったので、もう一人の自分に押し付けるしかなかった。


しかし、もう一人の自分が限界を迎えたらしい。



自分を責めてきたのだ。

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