第4話 ゲームの世界

幼少期の話に戻るが、私は少しだけ父とゲームをしていたことがあった。



当時発売されていたファミコンのスーパーマリオ3を攻略本を見ながら二人でやっていた。

その時は楽しかった。


小学校2年の時、父の機嫌が良かった時になぜかスーパーファミコンを買ってもらった。



それからというもの、私はゲームの世界にどっぷり浸かるようになった。

学校から帰ると、当時祖母しか家にいなかったため、家の鍵は閉まっている。

鍵を開け、一目散にテレビの前に行き、両親が仕事から帰ってくるまでやっていた。

朝は早朝5時に起き、朝食の時間までゲーム三昧。



ゲームの世界は本当に楽しい。

自分がフィールドを歩き、敵を倒し世界を平和にする。

こんな自分になれたらいいなといつも考えてた。


外へ遊びに行けば、また周りとの劣等感に悩まされるが、あの世界だけは何もない。



しかし、周囲のつながりも意識できる年齢に差し掛かった頃、習い事を始めるようになった。


理由はいたって簡単。


誰々がやっているから。


そのおかげで、習字、そろばんのほかに少年野球にも入ることになった。


暴力は受けていたものの、そういう習い事には賛成され、すぐに通えるようになった。



中学に上がるまでは続けていたが、一度大きな転機があった。

サッカーJリーグが開幕し、またたく間にサッカーブームが到来。

地元にもサッカー少年団ができ、多くの友人がサッカーをするようになった。


当然、私もサッカーをやりたいと思い申し出たが結果は見えていた。


最後までやりなさい。

今辞めたらもったいないから。


最後っていつ?

何がもったいのないの?



そんなことすら聞ける状況ではなかった。


そろばんは今でも役に立っている。

頭の回転が早くなり、計算だけではなく色々なことを考えられるようになった。



ゲームの世界と現実の世界が入れ替わってくれればいい。

暴力なんて魔法で跳ね返せると思ってた。


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